(2014年7月取材)
◆部員数 6人
(1年生2人、2年生1人、3年生3人)
◆答えてくれた人
男庭千尋(おにわちひろ)さん
(3年生)
本校の池の水を浄化するためには、どんな材料が浄化に適しているかを調べました。
水質浄化には炭素繊維が有効ですが、高価であるうえ、廃棄する時には燃えないゴミ、または産業廃棄物となり、処分しにくいことが難点です。そこで、身近にある安価な材料でその場の生態系を壊さない炭素繊維のようなものを探して、水質浄化ができるかを検討することにしました。そして、松かさ、松かさ炭、へちま、へちま炭と軽石を利用して実験を行いました。松かさは、地元の海岸で拾ったもの、へちまは100円ショップで購入したへちまたわしを使用しました。
さらに、材料を組み合わせると、浄化効果が高くなり、特に、軽石とへちま炭の組み合わせは高い浄化効果を得られることがわかりました。
■研究を始めた理由・経緯は?
ホコニ水質浄化プロジェクトは鉾田第二高等学校の敷地内にある汚染された池を浄化するために始めました。題名にある「ホコニ」とは本校の略称です。実験を行う前に業者による池の清掃が入ったため川の水での実験になってしまいました。
■今回の研究にかかった時間はどのくらい?
実験は10日おきに1時間の測定を行っています。今年で2年目です(開始2012年)。
■今回の研究で苦労したことは?
へちま炭や松かさ炭などの材料は手作りだったため、しっかりした炭を作るのに苦労しました。また、実験は水槽での比較実験を行っていたので、一つの実験が終わるごとに水汲みに行っていたのですが、水汲み前日に雨が降ると水の濃度が薄くなり実験に支障が出てしまうため実験を遅らせなければいけなくなることもありました。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?
材料です。手に入りやすい・安価・処分しやすい・その場の生態系を壊さない等の条件で集めたため限られたものになりましたが、意外性のある面白い材料も集められたと思います。また一般に浄化効果があるとされる木炭からヒントを得た、この研究独自の松かさ炭やへちま炭もそのうちの一つです。
■今回の研究にあたって、参考にした本や先行研究は?
『炭素繊維を用いた県立自然公園内の“南湖”の水質浄化』 荒井健太、佐川演司、小島昭 「用水と廃水」Vol.44 No.11 (2002)
『新版 だれでもできるパックテストで環境しらべ』 岡内完治著
『だれでもできるやさしい水のしらべかた』 河辺昌子著
■今回の研究は今後も続けていきますか?
今後も続けていきます。私はもう3年なので引退となりますが、1年の後輩がこの研究を引き継いで行っていきます。研究では今後も新しい材料を引き続き探し、それらで比較実験を行っていくつもりです。また、まだ行っていない材料の組み合わせで実験を行い、最終的には水槽内の実験で効果のあった材料を用いて池で実践し、成功すれば地域の川でも活用し、鉾田市に貢献したいと考えています。
違うテーマで研究するとしたら地学分野の方も興味があるので、そちらの方で天体関連の研究をしてみたいです。
■ふだんの活動では何をしていますか?
私の所属する生物部は写真部とともに活動することが多いため、写真部の活動の手伝いをしています。
■総文祭に参加した感想を聞かせてください。
3年の最後の時期にこのような大会に参加する機会に恵まれ大変うれしく思います。自分の高校生活で最も印象に残る貴重な体験となりました。