(2015年4月取材)
生徒会はフレキシブルなモチである! ~最優秀賞 2班「大とろック」
角張凜さん(高校2年)
―角張さん自身は、自分の学校では生徒会にどのように関わっていますか。
私の学校で「生徒会」は生徒全員のことを指し、世間で言う生徒会に当たる組織は「総務委員会」と呼ばれます。私は1年生のときは総務委員、2年生になってからは総務委員長を務めてきました。
―参加したきっかけは何ですか。
今回が初参加です。大会の半年ほど前、関西生徒会連盟の元副代表で、今回の副実行委員長の森口くんに「議長やりませんか」と誘っていただきました。その後HPやFacebookページを見て、面白そうだと思い参加することに決めました。
―生徒会の構造を菱もちに例えたのはとてもユニークでしたね。ほかでもない、モチになったのはどんな発想からですか。
どこの学校でも、生徒会の組織図はほとんどが複雑に書かれており、分かりにくいのが現状です。そこで、私たちのcouncilの組織図はまず基本形を三権分立にしました。
しかし、よく見る三権分立の形はシンプルですがインパクトに欠け、なにかと不十分なところもあると思い、三権をいろいろな形で表しました。その時、たまたま三権を重ねてみました。すると、私たち日本人にとって親しみがある形が見えました。それが「菱もち」だったんです! 閃いたのは、councilの副会長です(笑)。
また、冬になれば「もち」の上に「みかん」がのった「鏡もち」があちこちで見られるようになります。その「みかん」が、予算決定期間である冬にしか組織されない機関としてもち型組織図の上に置かれれば、私たちの班の問題点は全て解決されるという答えに至り、「モチでいこう!モチは学校を救う!」と全員の意見が一致しました。
―生徒会に対するイメージを聞くために、メンバーのLINEのグループを使ってアンケートをするなど、説得力も光りました。角張さん自身が生徒会活動に参加する時、気をつけていることは何ですか。
長く生徒会役員をしていると、どうしても「一般生徒」の見方、考え方とは少しずつ違ってきてしまいます。なので、行事を企画する時などは、自分たちは『生徒の、生徒による、生徒のための組織』であるということを思い出して「どうしたらみんながやりやすいか」など、生徒を主体にして考えるよう気をつけています。また仕事で関わった人と友達になって、色々な人から色々な意見を聞けるようにしています。だから学年で一番みんなの顔と名前を知っている自信があります!
それが今回アンケートをする時にも役立ち、改めて人との繋がりの大切さを実感しました。
―今回のプレゼンを作るとき、いちばん工夫したこと、見てもらいたかったことは何ですか。
それはやっぱりモチですね!「場面に応じて立場を上下させることが可能」ということをわかりやすく説明するために、スライドにアニメーションをつけたのですが、スライド作成担当がこだわっただけあって、すごく滑らかでキレイに動くんですよ!
また、考えるのが難しい、イレギュラーな場合でもどう対応するかをしっかり示したことも注目してほしいポイントです。つまりみかんの部分なのですが、ここは皆さん驚いたのではないかと思います(笑)。
やる気のない者はリコールもあり ~実行委員長賞 4班「おでん」
木村直生くん(成城高校[東京]2年)
―木村くん自身は、自分の学校では生徒会にどのように関わっていますか。
学校では会計委員長を務めています。仕事内容としては、アンケート集計や折衝などをして予算案を作成したり、文化祭では売上金の管理なども行ったりしています。また、生徒会歴も長いので、他の委員会のサポートに回ることも多いです。
―参加したきっかけは何ですか。
今回が2回目の参加ですが、きっかけは、当時中学生徒会長を務めていた時に面白い企画が思いつかなくて悩んでいたんですね。そんな時、先輩に生徒会大会の事を教えてもらったので、迷わず応募しました。
―「やる気のない役員をリコールする制度を入れる」というのは思い切ったマニフェストですが、一般生徒の立場で、このような制度を作ろうという提案がなされたらどう感じると思いますか。
僕は、生徒の皆さんには賛同してもらえると思っています。生徒会役員が緊張感を持って仕事に励む→その結果活動実績が出る→生徒に生徒会がどんな事をしているのか手に取るようにわかってもらうことで、生徒の関心も高まる。このような流れになって、全員にとってプラスになると思っています。
―実行委員長から「いちばんたいへんそうだった」と言われ、木村くん自身も「最悪の設定」と言っていましたが、どんなところですか。
まず、設定が「生徒が無関心・先生が非協力的・生徒会役員のやる気もない」といった内容で、これ以上ないほど難しいものでした(笑)。そのせいで、チームのみんなも考えが浮かばず苦戦を強いられていました。結果として、解決策まで持っていけたので良かったです。
―木村くんにとっての理想の生徒会で、いちばん大事だと思うことは何ですか。
やはり「生徒会内の雰囲気」です。役員同士の仲が悪いなんて言語道断ですし、こんな状況では仕事が進むはずがありません。逆に仲が良く雰囲気が良ければ意見も出やすいですし、役員同士が刺激し合ってさらに良い方向に持っていけると思います。僕もふだんこの事に気をつけながら、生徒会活動に取り組んでいます。
相思相愛なら責任と自覚が芽生える
~審査員特別賞(西野様賞) 3班「NSC48とゆかいな仲間たち」
尾井麻里さん(神戸女学院高校[兵庫]2年)
―尾井さん自身は、自分の学校では生徒会にどのように関わっていますか。
中学で2年間活動し、高校では3年目の参加となります。私の学校は、2学期まで任期を務めるので、今年は2学期末まで副会長を務めます。ちなみに、副会長は年刊誌の編集長を兼ねるので、仕事自体は3学期まであるみたいです…。
―参加したきっかけは何ですか。
去年は生徒会の1メンバーとして、西日本の実行委員の出演するラジオ番組『ハイラジ』に招いていただきました。そのこともあって、すごく興味はあったのですが、3月は学校行事の準備もあり、参加は諦めかけていました。そんなところに、実行委員長の長澤くんから、議長の仕事をもらいまして…。学校の生徒会メンバーからもOKをもらったので、初めて東京で参加させてもらった次第です!
―「相思相愛」というのは、シンプルでとてもわかりやすいマニフェストでしたね。この言葉が出て来た時に、グループの中でどんな議論があったのですか。
自分たちに与えられた問題点の中から3つに絞り、それぞれの問題に対する具体的な対策まで出ていたのに、どうしてもその3つを繋げる、聞いた瞬間「なんやろ!?」ってなるようなかっこいいキーワードが決まらなかったのです。3つの解決策の共通点は、距離感やつながりだったように思います。「connection」「糸」など出ましたが、深夜の議論で、みんなの疲弊のタイミングと深夜テンションで相思相愛に決まりました。
―「岩手県の高校」という設定でセリフに方言を使ったり、「相思相愛」のラップが飛び出したりと、楽しいプレゼンでした。どんなことをいちばん伝えたいと思いましたか。
本当に、メンバーに恵まれました。実はプレゼンは、違う宿に宿泊していた人がいた関係で、全員で完全なリハーサルが一回もできていないんです。今だから言えますが、方言とかのくだりも、ギャグもちょこちょこみんなのアドリブだったんですよ!本当に自慢のメンバーだし、感謝しています!
私個人が台本を書きながら伝えたかったのは、まず「自分自身を省みること」でした。私自身もそうでしたが、話し合いで問題の解決策を考えるとき、問題を分析しようとはしても、案外自分はどうなのか、ということを忘れがちになってしまっている気がしたんです。
相思相愛は、お互いがお互いを同じくらい尊重して好きになっている言葉だと思います。そうなるためには、やっぱりまず自分たち自身を見つめ直して初めて自分たちの方を向いてもらえると思います。
何かを変える政策、その政策を聞いてもらえる自分たちを見つめ直そう、そんなことを伝えたかったです。多分、そこまでは台本でも伝えられていなかったと思いますが…。
―尾井さん自身、生徒と生徒会を「相思相愛」にするために、どんな工夫をしてきたと思いますか。
まだまだ役員として至らない部分も多く、偉そうなことは言えないのですが、距離感だけは大切にしてきたつもりです。中高一貫の学校の中で、後輩からしても、とても遠い存在になりがちだとは思うのですが、「誰かが入っている役員会」じゃなくて、「知っている先輩が入っている役員会」と思ってもらえるだけでも、少し近く感じてもらえると思います。部活の後輩や、体育祭などで接点のある後輩は年が離れていても、頑張って顔だけでも覚えたり声をかけたりはしているつもりです。正直人見知りなので、あんまり実践はできていないかもしれませんが…。最高学年にもなりましたし、がんばります!