スピーチコンクール特賞で世界の大都市ニューヨークへ
~国連本部での研修レポート
上田 明(めい)さん 岡山白陵高等学校(当時)※現在は津田塾大学2年
(2015年7月掲載)
vol.3 国連本部。ブータン代表部と米国代表部とのセキュリティの違いに衝撃
国連本部をみてニューヨークに来たことを実感、なれど万国旗は無し
いよいよ国連本部の中に入れる、と胸を躍らせる一行は、そこで気が付きました。「万国旗が……立ってない!!!」そう、国連といえばこれ万国旗!!
…のはずが、この日は立っていませんでした。「気温が低くて掲げたら旗が上で凍るから」という理由だそうで少し残念。さらに改修中で総会議場には立ち入れないとのことでその他の施設を見て回りました。
印象的だったのは経済社会理事会会議場。各国の代表が国名の映ったプレートの前で会議をしている姿、皆さんもどこかでみたことありませんか。まさにあの場所に行ってきました。
思ったよりもとても広く、会議の内容を国連公用語である6カ国語に即座に翻訳して聴衆に伝えるべく、6つの部屋が言語別に設けられていることにも驚きました。
入室に荷物検査!
ブータン代表部で受けたおもてなしは、一言で言うと「アジア的」でした。日本に似ている雰囲気でとても落ち着けます。
それとは対照的にアメリカ代表部では入る際に厳しいセキュリティチェックがあり空港で受けるような荷物検査があったのが印象的でしたね。(ブータン代表部は一切ありませんでした(笑)逆に危ないのでは…。)
ブータン代表部では農業など比較的和やかな内容の話が交わされましたが、米国代表部では日本の常任理事国参加についてどう思うかなどの際どい質問が飛び交うなど面白い議論の場となりました。
幸福度を重視するブータン
ブータン代表部訪問では、ブータンという国やブータンと日本の関係について知ることができました。
ブータンという国は、スイスと同じくらいの国土面積を持ち、人口は70万人ほど。国王を置き、選挙制を採用していることも特徴。第四代ワンチュク国王がGNH(国民総幸福量)を国家目標として定め、それに伴い4つの目標を作ったそうです。(1:持続可能な経済発展、2:環境保全、3:伝統文化の継承、4:良い政治)
また、ブータンと日本の関係として、ブータンと日本の国交開始は1986年で、日本からブータンへ向けての主な援助例としては農業・教育・建設事業。中でもブータンの農業の発展に寄与した日本人農業指導者の西岡京治さんはブータン国民にとっても大きな存在として心に残っているとのことでした。
当時のブータン国王がGNHという指標を設ける際の理由が、一日の終わりに幸せだと思いたいから、というとても素朴かつ大切なものだったというお話がとても印象深かったです。