(2014年3月取材)
(※学年は取材時)
「女らしくない」とか「やっぱり女は…」とか
■なぜ、このテーマに興味を?
私は女子高に通っていますが、共学では女子が男子に遠慮して、発言を慎んだりすることがあると聞いたことがあります。また、あまりに仕事を頑張りすぎる女性は「女らしくない」と批判される、一方で、男性より仕事ができないと、それはそれで「やっぱり女は…」と思われてしまいます。では私達女性はどうすればいいんですか! 女性に対する偏見が問題だと思ったのです。
「女性専用列車」は善意からきた偏見
■どんな議論をしましたか?
まず、偏見を定義するところから始めましたが、偏見は必ずしも悪いものだけでできているのではないという結論に至りました。例えば女性に対するいろいろ優遇、例えば育休とか産休とか会社を辞めやすいようにする待遇だとかそういうのは、必ずしも悪意から来ているものではないと。ということは偏見の始まりはもしかすると善意なのではないかと私たちは考えました。では善意はどうしたら偏見になってしまうのか。ある人は親切でやっているつもりが、相手にとってはありがた迷惑になる。お節介が多数押し付けられることが、偏見の原因ではないか、というふうに認識しました。
では、善意からきた偏見を本当になくしても良いのだろうかと、私たちは考えました。例えば女性専用車両は女性は守られるべきものだとか、そういう善意からくる偏見によってできたものです。でも、現状では割と喜ばれています。では女性専用車両みたいな良い偏見、ニーズにあっている偏見というのもあるのではないかと思いました。
偏見の有効活用のために、他者の気持ちを理解するロールプレイングを
■どんなアクションプランになりましたか?
偏見は必ずしも駆除されるべきものではなく、むしろ有効活用できるものなのではないだろうかと考えました。そんなおせっかいから生まれる偏見を良いものに転化するにためは、我々は他人の真意を知る努力をしなければならない。そこで、アクションプランとして、自分とは違う立場の人びと(高齢者、障害者、女性、男性等)の気持ちを理解するためのロールプレイングと、様々な年齢層、仕事、国籍の人たちとのディスカッションの場を提供することを提案しました。
さらに考えたのは、異なった人種、年齢層、職業の人びとを10人程度集めてする数日間(3日~1週間)合宿。やはり議論やロールプレイングを数時間のみするよりも、昼夜共に生活した方が、より多くの、互いの相違点を発見できるのではないかと思いました。
【合宿中にやりたい活動】
・体を使ったアクティビティ(軽いスポーツなど)
・普段どういったところで偏見を感じるかなどに関するディスカッションタイム
・合宿中に発見した互いの相違点を発表
このアクションプランのポイントは、「偏見をただ批判するのではなく、有効利用しようとしていること」です。先に述べたように、偏見が多数のおせっかい、つまり善意から生まれるものであると私たちは考えました。もしもそのおせっかいを正しい、より社会のニーズに合った形に導くことができれば、それは「思いやり」となるのではないだろうか。そこで、「偏見も意識1つで思いやり」というキャッチフレーズを考えました。
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