(2014年3月取材)
(※学年は取材時)
マララさんの「1冊の本が世界を変える」に感銘
■なぜ、発展途上国の教育について話したいと思ったのでしょうか。
私は、世界の平和を願っています。ノーベル平和賞のマララ・ユスフザイさんの言葉に次のようなものがあります。「1人の子供と1人の教師、1冊の本、1本のペンが世界を変えることができるのです」。教育の尊さを改めて感じました。
現在、学校に通えない子どもは約5,700万人。読み書きのできない大人は約7億3,500万人だそうです。こういった基礎教育(字が読める・字が書ける・計算ができる)を受けたくても受けることができない人たちに、先進国に生まれ不自由なく教育を受けている私たちができることとは何か話し合いたいと思いました。
例えば、アフリカの大平原で夜空の星を見て、それに興味を持った子どもは必ずいるはずです。ですが、それを研究する、ということを知らず、人生を終えていく子どもがいます。世界中の人々が自分の夢を追いかけることができるのが理想だと思います。
学校に行きたくなるような絵本
■どんなアクションプランですか?
ずばり「絵本で夢を叶える」です。発展途上国の学校に行きたくても行けない子どもたちに「学校に行きたい」と思わせるような絵本を作って、届けようというプランです。
内容としては、例えば、夜空のきれいな星空を見て「ああ、あの星きれいやな。あの星どんなんやろ?」って、興味を持ったとしたら、それが職業になりますよ、研究できますよ、そういう夢のある絵本。または、大阪やニューヨークの景色を撮って、世界にはこんな景色のところがありますよ、などといろいろと学ぶことの楽しさを伝えていけるような絵本です。
夢を追いかける機会を提供したい
■どんな議論がなされましたか?
教育問題の解決が途上国問題全ての解決につながるかはわかりませんが、夢を追いかける機会を持たない子どもたちにそういった機会をなるべく提供できるような活動にしたいという意見でまとまりました。
識字率の低い国では、文字ではなくて、絵で伝えていこうとなりました。その絵本を読んでいくうちに自然と「学校行きたい」となる内容で、途中から文字が少しずつ登場して、「文字を読めるためには学校に行かなあかんのかな」と思わせる。学校に行くのを勧めつつ、内容的にも学べる絵本を作っていきたいなと、なりました。
エビやバナナから発展途上国を考えたい
■鈴木先生の話から、考えは深まりましたか。
もともと、発展途上国問題の中には自分たちの生活とは直接的には関わっていないものもたくさんあると思っていましたが、話せば話すほどいろいろな問題が出てきて、その一つ一つの問題がどれも自分たちの生活に無関係ではないということを知りました。
鈴木先生の言葉です。
「発展途上国の食糧問題については、かつて先進国は農業が発達していないからだというということで、農業技術や干ばつに強いイネを送りこんだりとかしていたが、実は、そこだけに問題があったわけじゃないということが最近わかっている。例えば、東南アジア産のエビやバナナ。日本への輸出向けを生産した方が、地元向けのより、よっぽど儲かる。だから、地元の食糧より、日本向けが優先されてしまう。僕らの食卓とすごくつながっている話題だ。途上国の食糧問題がぐっと身近になってきたね。僕らと、向こうの間につながりはないか。向こうの問題は遠い問題ではなく、つながっている。つながりを考えよう。」
■今後はどんなことがしたいですか?
実際に絵本を書いてみたいです。発展途上国にものを届けている団体と協力して、作った絵本を届けてもらうというのも考えられます。実際に既存の絵本を発展途上国に送っている団体の方と話してみたいです。あとは、やはり現地の人と実際に会ってみたいです。
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