(2014年3月取材)
—たんこぶちんとして活動していたからこそできた貴重な体験ってありますか?嬉しかったエピソードとかあったら、ぜひ教えてください。
MADOKA:
普通の高校生では絶対経験できないだろうなって思うのは、やっぱりキャンペーンとかでいろんな所に行けたり、憧れているアーティストにライブで会えたりすることですよね。バントをやっているからこそであって、すごくありがたいなって思います。
CHIHARU:
憧れのアーティストさんと、同じ空間でライブができたことです。ガールズバンド界の大先輩の、プリンセスプリンセスの中山加奈子さんに詞を手がけてもらった『We Gonna ROCK』は、練習を頑張りました!私たちのために詞を書いてくださった思いに応えたかったですから。
—元チャットモンチーの高橋久美子さんにも詞を書いてもらったんですよね。
MADOKA:
はい!もう、本当に小学生の時からファンだったので、超嬉しかった!そういうのもバンドをやって、メジャーデビューできたからこそだと思います。
—今までやってきた中で、どのライブがいちばん楽しかったですか?
NODOKA:
山口であったWILD BUNCH FEST. 2013 です。自分たちがライブをする前に、初めてたんこぶちんコールがかかったんですよ!ステージに出る前だったから、みんなちょっと泣きそうになっていて。しかも、お客さんも思っていた以上にたくさんいてくださって、めっちゃ楽しかったです。やっぱりお客さんがいると嬉しいです。自分たちの曲を口ずさんでくれたりとか、部分部分で「やー!」とか掛け声をかけて一緒に歌ってくれたりとか、最高です!
—僕もまだ高校生なので、同級生がメジャーデビューしているアーティストだったら、何かよくわからんけどすげーって思うけど、学校の友達からはどんな反応がありましたか?
HONOKA:
去年(2013年)7月にメジャーデビューした次の日くらいに、休み時間にぼけーってしてたら、友達からいきなり「ほのちゃーん!」っていわれて、後ろ向いたらクラッカーで「デビューおめでとーう!」って。その時もめっちゃ泣きました。セカンドシングル『シアワセタランチュラ』を発売した後も、「ほのちゃんに会えて幸せ!」って言ってもらえて、本当にいい友達に出会えたなって思いました。
CHIHARU:
メジャーデビューの日に、クラスマッチがあって、ソフトボールをしてたんです。私がバッターの時に、敵チームの子が「ちはるー、メジャーデビューおめでとー!」って『ドレミFUN LIFE』のサビを歌ってくれたのが嬉しかったです。
—それはめっちゃおもしろいね!集中はできた(笑)?
CHIHARU:
打ちましたよ、「カキーン」って!
—地元の唐津では何か変化はありましたか?
YURI:
普通に歩いていて、話しかけられることがあります。髪型がこんななんで、すぐ気づいてくれるんです。わざわざ車を停めて「たんこぶちんの方ですか?」って言ってくれる方もいて。帰り道に、小学生が「あー!たんこぶちんの人だあ!」って泣いてくれて。「泣かないでー」って慰めたら、もっと泣いちゃいましたけど(笑)。
—小学生の時に結成して、もう7年目に突入ですよね。これから、このバンドで目指していきたいことはありますか?
NODOKA:
やっぱり、横浜アリーナで演奏したいですね。MADOKAがGoogleのCMに出て、そこで「横浜アリーナ!」って言ったんですけど、言ったからには「みんなで実現させよー」って!
—明日はいよいよ、卒業式ですね。そのすぐ後に唐津で「たんこぶちんLIVE~思い出いっぱい☆また話そうね~」があるけど、ライブに来てくれたお客さんにどんなことを伝えたいですか?
MADOKA:
はい!明日は同世代も含め、たくさんの方に来て欲しいなーって思っています。来た皆さんに楽しんでもらって、「ありがとう」って感謝の気持ちを伝えられるライブにしたいなーって思います。頑張ります!
HONOKA:
学校に全然いけなくて、クラスの人にもいっぱい迷惑かけたけど、みんなが私をたくさん応援してくれてたから、いままで頑張って来れたと思うし、みんなの笑顔を思い出して頑張れた時もありました。
あんまり家にいられなかったけど、支えてくれた家族。お世話になっているヤマハのスタッフさん、あと、私達にバンドのすばらしさを教えてくれた横井先生にも、「本当に今までありがとうございました。これからもよろしくお願いします」という気持ちを伝えたいです。
CHIHARU:
唐津でライブするのはちょうど1年ぶりくらいで、明日の卒業ライブには同級生の子とかいっぱい来てくれると信じているので、感謝の気持ちを伝えたいですね。
朝学校行く時には、いつも「今日はしっかり者ちはるで登校しよう!」とか思っているのに、学校行ったら何かやらかして、どじってしまうんですよね(笑)。こんな私でも友達になってくれて、仲良くしてくれて、もう本当にありがとうって。
YURI:
どのくらいライブに来てくれるかわからないですけど、一生懸命宣伝もしたし、同世代の子に聴いてほしい歌が本当にたくさんあるので、みんなに来てほしいです。3年間のありがとうっていう気持ちを、友達はもちろん、親や支えてくれたすべての方に伝えられるライブにしたい。「学校とは違う一面があるんだよ!」っていうアピールもしたいです。
NODOKA:
私も、みんなに感謝の気持ちを伝えられたらなって思います。私の学校は、3年間同じクラスだったんですよ。メジャーデビューする時「がんばってねー!」って言ってくれたり、ライブで学校に行けなかった時も、LINEで応援してくれたりしたんですよ。だから、「3年間ありがとう」っていう気持ちを伝えたいです。
—すばらしいコンサートになりそうですね。頑張ってください!
たんこぶちん:
はい、頑張ります!ありがとうございました!
[証言4 山口のファン]
もともとスキャンダルが好きで、スキャンダルのコピバンコンテストを聴いたのがきっかけです。いいですよね、この子達。まずかわいいしうまいし、元気だし楽しそうに演奏してるし。もう7年目なんですね。YURIのギターはすごいですよ。あの子、もう5・6年したら、日本を代表するギタリストになるかもしれない。ふつう、女子高生があんなに弾きこなせないですよ。
[証言5 大阪のファン]
メジャーデビューする前、Youtube時代から注目してたんですけど、結構うまいなーって思って。大阪のライブにちょくちょく行くようになって、唐津には今年になって初めて来たんですが、もう今回が3回目ですね。全部たんこぶちんのために来ました。今日はめっちゃよかった。今まででのライブで今日が一番感動しましたね。遠くから聞きに来たかいがありました。最高でした。
2月の上旬、とあるきっかけで、僕はたんこぶちんの『シアワセタランチュラ』をYoutubeでみつけた。最初は「ボーカルの女の子可愛いなぁ」ってそこでひきつけられて、なんとなく聞いてたら、なんだか好きな曲だった。僕は典型的な「合唱コンクールで歌を歌いたくない男子」だったし、音痴ゆえに音楽にもさほど興味がなかったけど、たんこぶちんにはとても興味が持てた。なぜなら、彼女達は(当時)高校生だったからだ。
たんこぶちんのメンバーは、ついこのあいだの3月に高校を卒業したが、僕がYoutubeで彼女達を発見した時、お互いに高校生だった。「同い年の女の子達が、メジャーデビューをし、輝かしい舞台の上で(僕の苦手な)音楽を演奏している」。これは、相当な衝撃を僕に与えた。それはアーティストとしてたんこぶちんが活躍することへの「憧れ」、高校生でもプロとして活動できるという「可能性」であった。正直に言えば多少の嫉妬があったのも本当だけど、それ以上に強い尊敬を勝手に抱き始めた。
その後、たんこぶちんについて調べていくと彼女達の地元である唐津(佐賀県)で卒業ライブがあることが分かった。しかも、彼女達の高校の卒業式の日、式の後にそのライブは行われる。「絶対に参加したい!」この決意を抱え、少しずつ取材の準備は進んでいった。
相手が高校生だからといって、いきなりTwitterで連絡を取る訳にはいかない。まず、彼女達のマネージャーさんに連絡をした。たんこぶちん取材のお願いをするためである。2月の中旬にはたんこぶちんのライブが東京の下北沢で行われた。この日は取材ではなく、1人のファンとしてライブに参加した。Youtubeでは分からない、彼女達の演奏をこの目で見たかった。ライブの前に、ほんの一瞬だけ彼女達と会話をする事が出来た。彼女達も、自分と同じ高校生であることがわかり、安心した。ライブが始まる。音楽的なことはわからないけど、演奏している時、彼女達はとてもかっこ良かった。アーティストの顔をしていた。
たんこぶちんの卒業ライブ前日。僕はひとりで唐津に行き、たんこぶちんにインタビューをした。生まれて初めて上陸する九州。まさか、アーティストのライブで行くとは思いもしなかった。
僕がこのインタビューを通して探りたかったのは、たんこぶちんの2つの顔。女子高校生という普段の顔と、アーティストとしての顔。インタビューをして、目の前で楽しそうに話をしてくれる彼女達はまさに、本当に高校の同級生のようだった。学校の話をする時や、特にギターのYURIさんが制服検査の話をする時。ただ、話を聞いていくとやはりただものではなかった。記事を読んでいただけたら分かると思うが、普通の高校生にはできないような特別な体験を多く経験している。そしてそれは、彼女達が学校もバンドも一生懸命にやった努力からくる、成果そのものだった。
インタビューを終えた次の日、たんこぶちんのメンバーは高校を卒業した。そして、卒業式のすぐ後に「たんこぶちんLIVE~思い出いっぱい☆また話そうね~」が開催された。会場は地元の学生、大人、地方から来たファンの方達で埋め尽くされた。中には、つい先ほど卒業したメンバーの同級生や、ご両親の姿もあった。
イブの前日に僕はメンバー全員にある質問をしていた。「卒業ライブで伝えたいことは?」この質問にどのメンバーも迷わず一言目に“感謝”が出て来たことを僕は忘れない。ライブでのたんこぶちんの演奏は、とても思いがつまったものだったに違いない。演奏をしながらメンバーや、多くの観客が目頭を熱くしていた。そして、その涙にはこれまでの感謝が、そして思い出がつまっているのだ。
アーティストのおっかけもどきで、初九州上陸を果たしてしまった僕は、いつのまにか本当に彼女達のファンになってしまった。心から楽しいと思える取材でした。みなさんもぜひ、たんこぶちんのライブに行ってみて下さい!
以上、まことでした!
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