第39回全国高等学校総合文化祭(2015滋賀びわこ総文) レポート

琵琶湖だけじゃない!?滋賀県ってどんなところ?

(2015年7月取材)

近江大橋の膳所側から瀬田側を望む
近江大橋の膳所側から瀬田側を望む

滋賀県は、本州の中央部に位置し、県面積の1/6を日本最大の湖、琵琶湖が占める内陸県です。また、鈴鹿山系など多くの山地や森林帯を県内に有し、可住地面積は大阪府や東京都より狭いことも特徴としてあげられます。


滋賀県は東海道、東山道(中山道)、北陸道などの通る陸上交通の要衝として古くから栄えてきました。そのため、全国を舞台に活躍した近江商人の本拠となったほか、「近江を制するものは天下を制す」の言葉がある通り、多くの戦乱の舞台ともなりました。現在も、県内には多くの寺社仏閣や、安土城址や彦根城などの歴史的建造物が残されています。


滋賀県は、京阪神への通勤通学圏に位置するほか、滋賀県自体も西日本有数の工業県でもあるため、現在全国でも数少ない人口増加県の一つとなっています。


近江商人の町、八日市

今回、総文祭の自然科学部門の発表が行われた滋賀県東近江市八日市は、滋賀県の東部に位置します。


「八日市」という名前は、その昔、毎月「8」のつく日に市が開催されてきたことに由来します。この市は、聖徳太子が開いたと言われており、たいへん長い歴史を持つ町であることがわかります。また、八日市周辺には、古代、「蒲生野狩猟」と呼ばれる狩猟場があり、万葉集の有名な一句、額田王の「茜さす 紫野行き標野行き 野守りは見ずや 君が袖ふる」が読まれたのも当地であると言われています。中世以降、八日市は、京都と尾張(現在の愛知県)を結ぶ最短ルートであった八風街道など、3つの重要な街道の交わる宿場町としても発展しました。八日市の町中には、歴史ある町らしく、多くの寺社仏閣が現存しています。


八日市駅からほど近い松尾神社
八日市駅からほど近い松尾神社

現在は、滋賀県のローカル線、近江鉄道の要衝地となっているほか、名神高速道路八日市インターチェンジを有し、IT関連工場が高速道路周辺に立地しているため、内陸型工業都市としての一面も持つようになってきています。八日市の駅前は、今回の総文祭の発表舞台として使われた複合商業施設アピアや、地方銀行の支店、文化芸術会館など東近江市の中心地らしい装いとなっています。

八日市駅を発車する近江鉄道
八日市駅を発車する近江鉄道

歴史と文化の息づく街、大津

自然科学部門の閉会式が行われた滋賀県大津市は、県の南西端に位置し、滋賀県の県庁所在地となっている琵琶湖畔の都市です。

三井寺より望む大津市内
三井寺より望む大津市内

大津市は、667年、天智天皇が近江大津宮に遷都して以来の都市で、古来より日本史上において大変重要な役割を担ってきました。市内には、最澄の開いた比叡山延暦寺、紫式部が源氏物語の着想を得たとされる石山寺など、多くの重要な寺社仏閣が現在も残されています。

石山寺境内の様子
石山寺境内の様子

大津市は、江戸時代以降、琵琶湖水運の中心地としても発展しました。明治期には琵琶湖と京都を結ぶ琵琶湖疏水が完成、京都一帯の灌漑、工業用水として琵琶湖の水が用いられたほか、日本で初めての営業用水力発電が行われ、京阪の工業を支えました。

琵琶湖疏水
琵琶湖疏水

大津市は、JR西日本の新快速に乗ると京都駅まで10分、大阪駅まで40分の好立地にあることから、京阪神工業地帯のベッドタウンとして発展を続けています。大津市の人口は年々増加傾向にあり、その増加率は東京都区部、福岡市についで全国で3番目となっています。また大津市内には、多くの大企業の向上も立地しており、大津市は、2009年中核市に指定されました。


大津市内には、路面電車である京阪電車が東西に走っているほか、JR西日本の東海道本線も走っており、多くの路線バスも市内を走っています。市の中心は琵琶湖畔の浜大津駅周辺で、多くの商業施設や公共施設が林立、今回の総文祭の閉会式もこうした施設の一つ、大津市立市民会館で行われました。

市内を走る京阪電車
市内を走る京阪電車

<レポートおよび撮影>

みらいぶ特派員 猪股大輝くん(早稲田大学教育学部1)


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