世界へ”FLY”する東大生
~入学して即休学 世界の幼児教育を取材する旅へ
登阪亮哉くん(東京大学)
(2016年3月掲載)
第29回 話に聞くだけではわからない、「東南アジアの優等生」の街の実態 inシンガポール
2016年1月下旬、マレーシアの次は、陸路でシンガポールに行きました。
シンガポールでの宿はインド系の人々が多く集まる場所にあり、他の東南アジアの国のように低めの建物が多かったです。また、周囲にはヒンドゥー寺院が多々ありました。シンガポールは先進国だというイメージがありましたが、場所によっては途上国に近いのだなということを感じました。ただし、街並みがそうであっても、信号が整備されていたり地下鉄が発達していて車道が渋滞していなかったりと、都市機能としては先進国のそれなのだというのも滞在の中で見えてきました。
シンガポールの物価は日本より一回り高く、食費もかなりかかるかと思ったのですが、調べてみると周辺にフードコートがあり、そこで食べられるご飯は日本よりも安くてそこそこ美味しかったです。興味深かったのは、日本食料理店のメニューに日本風のカレーが載っていることでした。他にもタイ料理、インドネシア料理、中華料理など、アジアの様々な国の料理が売られていました。様々な人種が集まるシンガポールらしさを感じました。
シンガポールについて意外だったことは2つあります。1つは、英語がすべての人に完璧に通じるわけではないということです。シンガポールといえば語学教育は特に熱心で、英語は全国民が聞き取れるものなのかなと勝手に思っていたのですが、実際には少なくない人が英語を上手く聞いたり話したりできません。これはかなり意外でした。
もう1つは、街がそこまで綺麗ではないということです。シンガポールはガムのポイ捨てに罰金が課せられるなど街の景観を重視していますが、街の中心を離れると道路は汚れているしゴミもポイ捨てされていて、そこまで綺麗ではありませんでした。
一方で、予想通りだったのは、雨季のシンガポールにおけるスコールの大変さです。本当に不安定な天気で、晴れていても突然大雨が降りだすことがあり、かなり鬱陶しかったです。
シンガポール滞在では、予想を裏切られることが多々ありました。行ってみなければわからないことがとても多いです。広い視野で物事を見ることの重要性を感じました。
※東京大学初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/
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