世界へ”FLY”する東大生
~入学して即休学 世界の幼児教育を取材する旅へ
登阪亮哉くん(東京大学)
(2016年2月掲載)
第23回 ドイツの年末年始 ~様々な行事にお国柄がにじむ
年末年始は各国の文化が如実に表れます。僕はドイツで年を越しました。今回はその様子をレポートします。
ドイツにも「なまはげ」がいる?!
ドイツの年末は、以前書いたクリスマスのアドヴェントの時期から始まります。日本ではクリスマスというと24日から25日にかけての2日間しか祝いませんが、ドイツでは2度にわけて祝います。24日・25日より前に、「聖ニコラウスの日」という祝日があるのです。聖ニコラウスとは実在した司教の名前で、貧しい人々や子どもを助けたと言われています。赤い服を着て白いあごひげを蓄えた姿として知られており、サンタクロースのモデルになったと言われています。
この日に子どもたちがブーツを枕元にぶら下げておくと、翌朝にはお菓子が入っているそうです。25日のプレゼントは、ブーツではなくクリスマスツリーの下に置かれていました。
また、聖ニコラウスの日は悪い子どもが罰せられる日でもあるようで、その罰し方は各地で様々な伝承があるようです。南部の地方では、とても恐ろしい恰好をしていて鎌や鎖を持っているクランプスという化け物がお仕置にくるとされていて、実際に大人たちがそれに扮して各家庭を回って暴れていくそうです。
この話を友人に聞いて、秋田県のなまはげにそっくりだと思い、とても興味深く感じました。異なる国でも、目的が同じであれば似たような文化が生まれるのはとても面白いなと感じました。
家族で過ごすクリスマス、友人と楽しむ年越し
クリスマス当日である24日と25日は家族で過ごす場合が多いようです。
24日のディナーは家族で肉やジャガイモ料理を食べ、ツリーの下に置かれたプレゼントをみんなで開いて楽しみます。翌日の朝は教会へ行き、聖歌を歌います。この時面白かったのは、歌う聖歌の番号が教会の前の電光掲示板に表示されていたことです。こんなところでもハイテク化は進んでいるのだなと感じました。
そして、年越しは友人同士でパーティを行います。軽食をつまみながら1年を振り返り、年越しの瞬間には花火を打ち上げました。各家庭が大量に花火を買い込んでいて、1時ごろまではずっとどこかで花火の音が鳴り響いていました。
元旦以降は特にイベントは無く、後片付けなどを行ってゆるやかに日常に戻っていきました。
ドイツの年末年始は、大騒ぎはせずにしっとりと1年を振り返るものでした。なんとなく国民性が表れているように思います。
※東京大学初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/
前回の記事を読む
第22回 キリスト教国の最大の祭りの準備~クリスマスマーケットに行ってみました inドイツ
第21回 騒ぐことも休むことも遵法精神で~ドイツ人の「真面目さ」に触れる
第20回 パリ同時多発テロ直後のヨーロッパに滞在! ロンドン編
第18回 ニューヨークの幼稚園から高校までの一貫校・Riverdale Country School訪問記3
「コミュニティへの責任感」を身に付けさせることでリーダーシップを養う ~Mary Ludemann先生インタビュー
第17回 ニューヨークの幼稚園から高校までの一貫校・Riverdale Country School訪問記2
「読み聞かせ」の時間には「軍隊」や「平和」などを話し合う ~授業見学
第16回 ニューヨークの幼稚園から高校までの一貫校・Riverdale Country School訪問記1
~人格教育を重視。Adventurousness(冒険心)からZest(熱意)まで写真や絵で提示
第15回 マサチューセッツ工科大学で高校生に向け理数系映像教材を開発する渡邊理佐子さんインタビュー vol.2
第14回 マサチューセッツ工科大学で高校生に向け理数系映像教材を開発する渡邊理佐子さんインタビュー vol.1
第13回 西海岸と東海岸はこんなに違う!アメリカ大陸の大きさを改めて実感
第12回 Love to learnを実現する教育の工夫とは
Villa Montessori幼稚園~カリフォルニア州シリコンバレー vol.2
Head Teacher Leung Estella先生インタビュー
第11回 いよいよ幼児教育機関の取材開始!
Villa Montessori幼稚園~カリフォルニア州シリコンバレー vol.1
第9回 世界一周最初の国、アメリカに到着
一人旅で味わった、「多様性」の光と陰
第8回 実際に自分たちの手で幼児教育のプログラムを作ってみた
~準備の大切さと予定通りにいかない難しさを実感
第7回 世界一周のための準備
~幼児教育の専門家に会い、本を読み、取材項目をまとめた
第6回 休学経験者インタビュー:
世界40ヵ国以上、約300日間で回り、海外で働く人を取材し発信する旅
~生ぬるい自分を変え、同世代にいろいろな選択肢を示したい
~価値ある1年をいかに自分で考えて創っていくか
第1回 「飛び込め、躊躇なく」 世界一周を実現するチャンス
~FLY Program参加を決意したわけ