世界へ”FLY”する東大生
~入学して即休学 世界の幼児教育を取材する旅へ
登阪亮哉くん(東京大学)
(2016年2月掲載)
第20回 パリ同時多発テロ直後のヨーロッパに滞在! ロンドン編
2015年11月半ばにアメリカを離れ、イギリスのロンドンに約一週間滞在しました。
ロンドンはただでさえ入国審査が厳しいという噂があり、それに加えて直前の11月13日にパリでの同時多発テロ事件があったため、かなり審査に時間を取られる覚悟をしていました。準備も周到に行いました。具体的には、宿泊地の住所をメモしたり、出国時のチケットをわざわざ印刷したり、よく聞かれる内容とそれに対する適切な返事を予習したりしました。しかし、実際の入国審査はとても短い時間で済みました。日本人でかつ滞在が短かったためだと思います。
この時はテロの影響をあまり感じなかったのですが、出国時に別の空港を利用した際には仰々しい銃を持った警備員が常に見回っていました。現地の大学生にも話を伺ったのですが、やはり不安に感じているようです。
ロンドンに到着してすぐに、物価の高さにとても驚かされました。特に空港では、ペットボトルのスムージーが3ポンド(≒510円)もするなど、日本の2倍ほど高いのを感じました。交通費もとても高いため、できるだけ徒歩移動で済ませていました。そんな中で、かろうじて日本より安かったのは、ロンドンで作られたお酒と、一部の菓子パン類です。ドーナツ5個で0.7ポンド(≒120円)という商品があり、なかなか美味しかったので滞在中何度も買いました。
イギリス料理は美味しくないは本当か?
また、ロンドンの街を歩いていると、和食を食べられるお店が意外なほど多く見つかります。寿司などをテイクアウトできるチェーン店が多く、一貫ごとに売られているのが特徴的でした。
食事と言えば、イギリス料理は美味しくないことで有名です。とはいえ材料や調理法を見る限りでは美味しくないわけがないものもあり、気になったので食べてみました。シェパーズパイという、ひき肉にマッシュポテトとチーズをのせてオーブンで焼いたものです。見た目も味も良く、やはりイギリス料理も美味しいものは美味しいのだなと感じました。しかし一方で、少しパンチに欠ける気もしました。イギリスに長期滞在した友人が言っていた、「イギリス料理は美味しいけどおかわりしたくなるほどではない」というのが、とても適切な表現だと思います。もちろん全てを食べたわけではないので、断言はできませんが。
ロンドンをロンドンたらしめるものは…
また、ロンドンについて特筆すべきは、街としての美意識がとても高いということです。街並み自体がとてもきれいで、荘厳な装飾がなされている立派な建物がたくさんあります。ほぼ街全体が同じ雰囲気の建物でできており、統一感があります。そこに溶け込むようにたくさんのパブがあり、それぞれとてもおしゃれです。
さらに、劇場や美術館、博物館、公園も数多くあります。特に美術館や博物館は世界中から多くのものが集まっているうえに、基本的に無料で入場できます。
これらの特徴が、ロンドンをヨーロッパ有数の都市たらしめているのだと強く感じました。
※東京大学初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/
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