世界へ”FLY”する東大生
~入学して即休学 世界の幼児教育を取材する旅へ
登阪亮哉くん(東京大学)
(2015年12月掲載)
第10回 学生寮からのぞいたアメリカの大学生活
アメリカでの滞在中は、海外進学した友達が通う大学の寮に泊めてもらうことが多かったです。おかげで宿泊費が浮いただけでなく、彼らの普段の生活を見ることができました。
アメリカの大学は基本的に大学構内や近辺に寮があり、みんなそこに住んでいるようです。たくさんの学生で大きな家を借りて共同生活する、フラットと呼ばれる下宿もありました。
大学のキャンパスは、建物の壁に当たり前のように絵が描いてあるのが新鮮でした。また、西部の大学では、建物より高いサボテンが生えていてびっくりしました。キャンパス内をスケートボードで移動している人が多く、アメリカらしさを感じました。
アメリカの大学の履修は4種類が基本のようですが、中には5種類取っている人もいるそうです。それぞれ週に何コマか授業があります。教授によって授業時間の長さが違う大学もあれば、各コマの時間が定められていて休憩時間がない大学もあり、様々なようです。コマ数はそれほど多くなく、授業外の時間はかなり多そうでした。ですが、学生の多くは自由時間のほとんどを勉強に充てていたように見えました。各授業でかなりの量の課題が出るらしいです。
とはいえ、日本のサークルのような課外活動は行われており、さらに有志が集まって、キャンパス全体でゾンビと人間に分かれてサバイバルするゲームをするなど、楽しそうなキャンパスライフを送っていました。
食事は大学の学食がメインで、学食はバイキング形式です。いわゆるアメリカンな肉料理やチリソースやピザが多いですが、タイ料理をはじめとするアジア系の料理も出ました。学食の味のレベルは様々で、学食が美味しくない大学の学生は、周囲のお店に行ったり自炊したりしているようです。
全体的に見て、アメリカと日本の大学の主な違いは寮生活と課題の量であるように思われます。寮生活を通して、同じ寮に住む人同士はかなり仲良くなっていました。お互いの生活の癖まで知っているような密な関係というのはなかなか得難いものだなあ、と感じました。また、多くの課題が課されるストイックな環境は、学生の成長につながるはずです。一方で、日本の大学生のように、遊び・アルバイト・サークルと多様な経験を得るのは少し難しいかもしれないと思いました。どちらにも長所や短所はありますが、海外に進学した日本人の多くが楽しそうに生活しているところを見ると、選択肢の一つとしては考慮しても良かったなと感じました。
※東京大学初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/
前回の記事を読む
第1回 「飛び込め、躊躇なく」 世界一周を実現するチャンス
~FLY Program参加を決意したわけ
~価値ある1年をいかに自分で考えて創っていくか
第5回 なぜ幼児教育を取材テーマにしたか
第6回 休学経験者インタビュー:
世界40ヵ国以上、約300日間で回り、海外で働く人を取材し発信する旅
~生ぬるい自分を変え、同世代にいろいろな選択肢を示したい
第7回 世界一周のための準備
~幼児教育の専門家に会い、本を読み、取材項目をまとめた
第8回 実際に自分たちの手で幼児教育のプログラムを作ってみた
~準備の大切さと予定通りにいかない難しさを実感
第9回 世界一周最初の国、アメリカに到着
一人旅で味わった、「多様性」の光と陰