第27回全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演

新潟県立羽茂高校 郷土芸能部

2016ひろしま総文 郷土芸能部門(伝承芸能)  最優秀賞・文部科学大臣賞

(2016年8月取材)

国立劇場にて本番の小木おけさ
国立劇場にて本番の小木おけさ

■演目

『佐渡民謡  ~芸能と文化の島より~』

■部員数

30人(うち1年生13人・2年生8人・3年生9人)

■答えてくれた人

木ノ下陽菜さん(3年)

 

■国立劇場への出演が決まった瞬間の気持ちを教えてください。

 

最優秀賞は最後に呼ばれたので、国立に行けるか、行けないのかの二択だったのでとても緊張しました。新潟県の「に」が聞こえた瞬間、今までないくらいの叫び、全員で嬉し涙を流しました。2年間、悔し涙だったので、今年は全国一、そして国立への切符を頂けたことが嬉しく、支えてくれた方々に恩返しができてよかったです。

 

■今回の演目はいつ頃から練習を始めましたか。また、ふだんの部活ではどのくらい練習をしていますか。

 

4月に新1年生が入部していろいろなパートを体験し、6月頃に先生方、部長、副部長で全国大会に出場するメンバーを選抜してから、正式に演目や構成を決めます。決めてからいろいろな発表に出て構成が変わることはたくさんあったので、それぞれが臨機応変に対応出来るよう、いろいろなパートに挑戦しました。1日朝1時間、昼30分、放課後2時間30分を4か月練習しました。

 

                  練習風景      
                  練習風景      
練習風景                  
練習風景                  

■今回の演目で、いちばん苦労したところを教えてください。また、本番までどうやって乗り越えましたか。

 

3曲目の羽茂甚句です。今年はこの曲に鬼太鼓の鬼を取り入れました。今までは、はっぴを着て羽茂甚句の男踊りでしたが、今年は鬼がチアサの音に誘われて、鬼踊りで登場し、女の子たちと一緒に羽茂甚句を踊る構成でした。鬼の踊りは、他の地域の鬼の動きを見て勉強しました。初めてで、鬼の面の目から視界は狭く、感覚も踊りも合わずとても苦労しました。

 

■ひろしま総文から、東京公演まで1か月間が空きましたが、その間、どんなところに注意して練習を続けましたか。

 

全国大会のビデオを見て、反省しました。その反省点が国立までに完璧にできるように、ほぼ休みなしで練習しました。特に苦労したのはリハーサルの練習です。部員全員、そして先生方も国立は初めてだったので、動きもわからず、台本に従って毎日何回も練習し、それぞれ自分の役割がしっかりとわかるまでたくさん練習してきました。

 

羽茂甚句
羽茂甚句
佐渡おけさ
佐渡おけさ
相川音頭
相川音頭

■皆さんの演技のいちばんの魅力はどこにあると思いますか。

 

本当に全員が佐渡の民謡が大好きで、先生の指導を素直に聞き、前向きなところです。私たちが演じた4曲は、それぞれイメージが違います。一人ひとりが演じる曲目の良さを勉強し、その曲の良さをしっかりと伝えられているところです。部員の中には、小さい頃から民謡を習っている人もたくさんいて、それぞれ得意な部分があり、それをしっかりと生かせているところです。みんな明るくチームワークがとても良いです。

 

■ふだんの活動を教えてください。総文祭出場以外にどんな公演をしていますか。

 

踊り手を立方、演奏・唄を地方に分けて練習しています。朝と昼は、主に前の日の反省や反省点を練習し、放課後の部活では姿勢確認や音合わせなどの基礎練をして、その後、各自演じるパートに分かれ、最後は全員で集まって通しをします。全国大会以外は、地元の祭りや農業体験、認定試験などを行っています。

 

■国立劇場の舞台に立った感想をどうぞ

 

一番に感じたことは、全国大会の舞台とは違う感動があったことです。全国大会は、賞を取りたいという気持ちが強く、とても緊張しました。国立への切符を初めて頂いたので、今回は皆さんへの恩返しという気持ちでとにかく悔いの残らないように楽しもうと思っていました。

 

いつも私が思うのは、舞台の緞帳が上がる時、舞台に入ってくる空気が違うことです。それを感じると私の気持ちも変わってきます。国立劇場はお客さんもたくさんいるからか、立っていると空気に押されそうになりました。客席は暗くて見えませんでしたが、みんなが応援してくれているように見えました。

 

私が舞台で唄っていると、頭の中にはたくさんの人の顔が浮かびました。意見が合わなくて先生とけんかしたことや、仲間と一つになることができず悩んだこと、舞台で失敗して落ち込んだこと、みんなでご飯を食べたり、花火をしたりしたこと、笑い合ったこと、この3年間の思い出が浮かび、涙が溢れました。国立の舞台は、それぞれの想いのこもった今までにない最高の舞台になりました。ここまで来られたのも、いつも支え、応援してくれた人たちのおかげです。感謝の気持ちを忘れず、郷土芸能部で活動できたことを誇りに思い、これからも頑張りたいと思います。そして後輩には、この大切な伝統を引き継ぐ郷土芸能部を守り続けて欲しいです。

 

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