2016ひろしま総文 演劇部門 最優秀賞・文部科学大臣賞
(2016年8月取材)
■演目
『Is(あいす)』
■部員数
56人(うち1年生16人・2年生22人・3年生18人)
■国立劇場への出演が決まった瞬間の気持ちを教えてください。
・信じられずとにかく震えが止まらなかった。数日間はフワフワしていて魂ここにあらずって感じ。(鶴田琴美さん 3年)
・まさか国立の舞台に立てることを想像してなかったので、またこのみんなと素晴らしい舞台に立てることがほんと嬉しかったです。(畑中亜友さん 3年)
・嬉しさのあまりに涙が止まらなかったです。発表されたときに、今までの出来事が脳裏に甦ってきて、辛かった分とても幸せな瞬間でした。(市川正稀さん 3年)
・何が起こったのかわかりませんでした。また先輩とこの演目をできるとわかって嬉しかったです。(横山美邑さん 2年)
・今までの努力が結果に出て嬉しくもあり、この先が怖くなりました。私は2年生で、次の世代を担う立場なので次作の稽古はどうなるのか、これから私たちが背負う名前の大きさと自分たちの世代の実力のなさに嬉しい涙より苦しい涙が出ました。(渡邉百恵さん 2年)
・びっくりしたのと、すごく嬉しかったです。最初はなかなか実感がありませんでしたが、岐阜県に帰ってから国立劇場への不安と日本一の喜びを感じました。(新井天寧さん 3年)
・最初聞き間違えかと思いました。周りの子の様子みて、ほんとに国立劇場に立てるんだと思って、嬉しさもありながら、仲間への感謝が溢れました。(高井衿奈さん 3年)
■今回の演目はいつ頃から練習を始めましたか。また、ふだんの部活ではどのくらい練習をしていますか。
平日は放課後の4:00~6:30で、遅いときは8:00まで残って練習していました。休日は朝の9:00~夕方の6:00まで。そんな練習が1ヶ月全部というときもありました。(市川正稀さん 3年)
■今回の演目で、いちばん難しかったこと・苦労したことを教えてください。
・運動音痴なのに、バスケがいちばん上手い役で、ボールを買って一緒に寝たり、ドリブルしながら登校したり、技を教えてもらって練習したりした。体力がとても必要だったので、毎日のように走ったり筋トレしたりもした。(鶴田琴美さん 3年)
・私は舞台監督ですが、今回の劇は、場面の転換が多く、大きくて迫力のある装置が多いので、その転換がうまくできなくて苦労しました。練習では時々厳しく言ってしまうこともありましたが、本番はみんながやりきってくれて、キャストの邪魔にならず、自然と場面転換ができて、お客さんに劇の中に入ってもらえたと思います。(畑中亜友さん 3年)
・バスケのパントマイムが下手だったことや、滑舌が悪かったりしたことです。友人に自分の演技をみてもらい、必死に直しました。(窪田旭夏さん 3年)
・バスケのマイムを上達させるために、バスケの練習とかボールの大きさの感覚をつかむ練習をしていました。また体力が落ちると試合後のセリフが言えなくなってしまうので、体力づくりのために部活で走っていました。作業が押してランニングができなかったときは、夜に自宅周辺の川の周りを走りました。1時間走ったこともあります。動いた後に息切れしないようにすることに重きをおいて練習していました。(市川正稀さん 3年)
・演出助手として演出の先輩を手伝いながら劇に出ました。度々、先生に怒られながらも、とても楽しくできました。良い経験になりました。(井上頌杜司さん 2年)
・キャプテンという役柄の心情を自分の中に作り上げるのにとても苦労した。それでも部活の仲間と楽しく切磋琢磨してきたとこで今までの公演をやり遂げることができた。(三戸嗣朗さん 3年)
・バスケの経験がなかったので、他校戦のシーンが他より劣らないようにするのが大変でした。バスケがうまい人にコツを聞くなどして、調整しました。(金子創太さん 3年)
・先輩から受け継いだ作品で、先輩の演技をそのまま真似するのでなく、自分が思うキャラで自分にしかできないキャラとして演じることを頑張りました。(岩崎駿幸さん 3年)
・役作りがいちばん難しかったです。僕は今回、応援の役でしたが、そのアナザーストーリーを考えることが難しかったです。そこは、友達や先輩と考えて乗り越えることができました。(杉山克己さん 2年)
■ひろしま総文からさらに1か月近く間が空きましたが、その間、どんなところに注意して練習を続けましたか。
・まだ努力させていただける時間か増えて幸せでした。国立が楽しみと言ってくださる声が多く、エネルギーになりました。(鶴田琴美さん 3年)
・ひろしま総文の舞台では転換を間違えてしまったので国立の舞台では失敗しないように注意した。(藤田岬さん 3年)
・次作の1、2年生での新作劇が始まっていたので、先輩にネタバレをしないように隠しながら、Isとの両立をすることです。(渡邉百恵さん 2年)
・滑舌を特に意識して聞いたり、自分が演技しているつもりで先輩方の演技を見たりしました。(福永莉子さん 2年)
・いちばん注意したのは体調です。ひろしま総文の時に多くの部員が夏風邪にかかり、喉を痛めたり、咳が止まらなかったり、熱が出たりしてとても苦しんだので、体調が悪い子を気にかけたりしながら取り組みました。そして怪我をしないようにバスケをする前は必ず柔軟をして取り組みました。(高井衿奈さん 3年)
■皆さんの演技のいちばんの魅力はどこにあると思いますか。
・一番の魅力はやはり、エンターテイメント性にあると思います。スタッフであろうと役者であろうと、お客様を楽しませることを全力でやろうとしていて、装置ひとつにしても、ただそこに置いてある置物ではなくて、役者が手で触れて動いて何か出てきてまた動いてというような、お客様も役者自身も使って楽しい、見て楽しいものを目指してやっていました。そういった姿勢も魅力の一つだと思います。(市川正稀さん 3年)
・私は56人全員で演劇をするということだと思う。一人ひとりの真剣さが56倍となって一つの演劇を作り上げるため、躍動感のある劇が作れるのではないかなと思っている。(三戸嗣朗さん 3年)
・農業高校生だから、わかること、できることが演技にもでているところ。(内藤桜子さん 3年)
・人数が多い分、力強さは他の部にも負けていないと思いますし、一人ひとりの個性などが演技に存分に発揮されているところだと思います。(松波真央さん 1年)
■総文祭出場以外にどんな公演をしていますか。
普段は地域公演として、学校の近くにあるキラリホールで公演を行ったり、秋には交通安全の劇を地域住民の方に見てもらったり、文化祭の出し物として劇を公演したりしています。(市川正稀さん 3年)
■国立劇場の舞台に立った感想をどうぞ
・スタッフさんが、「演劇が大好き」っていう雰囲気に満ちていてすごく魅力的だった。とてもやりやすく広い舞台でとても楽しかった。いつもなら緊張しているのに、ワクワクが止まらなかった。(鶴田琴美さん 3年)
・すべてのことに圧倒されました。照明も舞台も音響もすべてが今までやったところとは違いました。役者として立った時にも、声の反響が少なくセリフを言いやすい舞台でした。国立劇場の中のスタッフの方も助けてくださり、いろいろと対処をしてくださり、自分たちらしい演劇ができました。ほんとうに感謝しています。(畑中亜友さん 3年)
・とりあえずデカイ!夢の舞台ってすごいと思いました!一生味わえない体験をさせていただいて、今まで支えてくださったすべての方々に感謝です!(窪田旭夏さん 3年)
・自分でも国立劇場の舞台に立てるなんて少しも思ってなかったので、感謝の気持ちでいっぱいなのですが、いざ舞台に上がってみたら、国立劇場も他のホールも変わらない気もしました。日本の最高峰の舞台ということもあり、緊張はしましたが、いつも通り、演劇が好きなお客様が集まって、自分たちもそれに向けて練習して、ということに変わりはなかったので、国立劇場だから…という気持ちはあまり出ませんでした。でもお客様の反応が凄くよくて、涙を流す方とか大声で笑う方とかを見て、あぁみんな演劇が好きな人が集まっているんだなあ、と思いました。国立劇場で「I s」という作品をお届けできて本当に良かったです。(市川正稀さん 3年)
・先輩方に連れて行ってもらって良い体験をしたので自分ももう一回国立劇場に行くために頑張りたいです。(杁江空さん 1年)
・今までにない緊張と楽しさが交錯して上手く言えません。裏方の方々の技術が素晴らしく、足袋と草履を履いてとてもかっこよかったです。回転舞台も初めて見たのですが、鳥肌が立ちました。(井上頌杜司さん 2年)
・声がよく通る舞台だった。舞台も広いのでのびのびと演技できた。(藤田岬さん 3年)
・広いのが印象深いです。照明担当として話しますが、照明器具が一番多かったのと、僕が担当する照明は、他のホールと違い標準があったので一番上手く狙えました。それが一番印象深く残っています。(林晃平くん 1年)
・舞台の仕組みや、そこで働く方々の動き、さらにはその場に流れる空気です。テレビでしか見たことの無い仕組みを近くで見ることができてとても感動しました。(齋藤和摩さん 1年)
・スタッフの皆様方の技術に驚いた。どんな装置物や照明プランも何の問題もないように、次々と準備を進めてくださり、あっという間でした。ホール全体に聞き取りやすいような音の響き方、広がり方で建築技術にも多くの力が注ぎこまれて作られていて、そんなところ公演させていただいたことが私の一生の思い出となり誇りとなるだろうと思った。(三戸嗣朗さん 3年)
・広さ、声の飛び方、裏方スタッフの動き、何をとっても他の劇場とは異なり驚きました。そんな素晴らしい舞台に立たせていただいたことに、ものすごい感動と、感謝を感じています。(金子創太さん 3年)
・スタッフさんがとても優しくて劇をするに最高の環境だと思いました。いつもは自分たちで直す装置物もきれいに手早くカッコよくスタッフさんがやってくださるし、口が開きっぱなしでした。盆が回って客席の前で止まった時に、最高舞台に来てしまったなと、やる気に満ちていました。またあの舞台から客席を見たいなって思っています。(渡邉百恵さん 2年)
・装置や工具が1つ1つ大切にされていて感動しました。指示を待ち、言われたら動く。国立劇場で改めて人の話をしっかり聞くということを学びました。(岡田彩翔さん 1年)
・今まで公演させてもらったステージの中で一番大きいです!あと、舞台が回るのもすごいし吊ってある照明もたくさんあってやはり日本一の劇場なんだなと感じさせられました。(松波真央さん 1年)
・とにかく広いっ!というのと、舞台が回転することが一番驚きました!これが日本一の舞台かと感じました。(長屋涼香さん 1年)
・普通なら一生のうちに経験できないことを経験させていただいてとてもためになりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。(柏ひかりさん 1年)
・一瞬で終わってしまったように感じました。え、もう終わったのか…と、帰りのバスで感じました。(大野紗詠さん 2年)
・高校生で、国立劇場という大舞台に立たせていただいて、二度とない経験をさせていただけたのですごく幸せでした。舞台照明などたくさんの初めてが多くて、国立劇場ってすごいなぁと思いました。私たち2年生が、今の1年生をまた国立劇場に連れてこられるように、頑張りたいと思いました。(福永莉子さん 2年)