第85回情報処理学会全国大会 第5回中高生情報学研究コンテスト

郷土の誇り「上毛かるた」に新たな風を! トレーニング用ソフトを作ってみた

チーム名:鶴舞う形の群⾺県

群馬県立高崎高校

中井匠くん(2年)、松本俊貴くん(2年) 

(2023年3月取材)

Loneliless~上毛かるたの新たな助っ人~

<背景>

群馬県には「上毛かるた」という伝統的なカルタがある。各育成会ごとに腕を鍛え、校区大会、市大会、県大会と駒を進めていくのだが、近年の少子化で、育成会の人数に極度なばらつきが生じ、『人数が少ない育成会はそもそも上毛かるたの練習が行えない』という傾向にある。そこで、『現実で、そして、1人で』カルタの練習をすることができる装置を開発している。

 

<新規性>

今まで2人以上またはデジタルの画面上でしかできなかったカルタという競技が1人で、そして実際に畳の上で、できるようになるという点である。また、この研究で開発している装置は特に「上毛かるた」に焦点を当てているが、それだけではなくて、様々なカルタで利用することができるだろう。

 

<進捗>

現在我々はARマーカーを絵札に貼ることでカルタの位置情報を認識することに成功している。今後、ARマーカーにより、プレイヤーがカルタを取ったか否かの情報解析を進めていく。

 

※クリックすると拡大します。

 

■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。

 

<上⽑かるたについて>

群⾺県の⼩学校では、毎年、育成会を中⼼に上⽑かるた⼤会が開催されます。上⽑かるたというのは群⾺県オリジナルのカルタで、群⾺県の魅⼒が綴られています。

 

ちなみに、授業中に上⽑かるたの話題があがるくらい、県内では有名で歴史のあるカルタです。

 

<研究を始めた経緯>

しかし、育成会の規模によっては、練習が困難になり、保護者の負担も⼤きくなっています。このような環境下では、児童は上⽑かるたの楽しさを味わうことができません。

 

そこで、「カルタを現実の世界で(画⾯上でなく)、そして1⼈で⾏えるようにする」ということを主題として研究をはじめました。

 

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。

 

だいたい1年くらいです。

 

 

■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。

 

メンバーの2⼈とも、プログラミング初⼼者なので、プログラムの記述に苦戦しました。

 

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。

 

ARマーカーを⽤いた画像処理です。ARマーカーを⽤いることで、絵札をあまりいじることなく、カメラから⾒た札の向き、距離なども認識できるようになりました。

 

これによって、将来、スマホなどのアプリとして実装されたときに、特別な装置などを使わなくても、私達の⽬のように、札を⽴体的に認識することができます。

 

 

■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことがあれば教えてください。

 

まだまだ発展途上なので、これから開発を進めていくとともに、項⽬4で述べたように、アプリとして実装することで、いろいろな⼈に使ってもらいたいです。

 また、わたしたちの作っている装置を応⽤すれば、百⼈⼀⾸などの他のカルタにも利⽤できると考えているので、そこまで開発を進めていきたいと考えています。(中井 匠くん)

 

私はマンドリン部に所属していて、降雨からマンドリンを始めた人が多いので、楽譜を読めない部員が多くいます。そこで、楽譜を写真に撮ると、その楽譜通りに演奏してくれるアプリを開発したいです。

この開発により、楽譜をわざわざスコアに打ち込む手間が省け、練習時間を有効活用できます。(松本俊貴くん)

 

※鶴舞う形の群⾺県チームの発表は、第5回中高生情報学研究コンテストで入選を果たしました。

 

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