第84回情報処理学会全国大会 第4回中高生情報学研究コンテスト

「行ってみたら使用中」をなくしたい! 赤外線センサを駆使して不便を解消する

チーム名:高松商業高校科学部1年 

石丸暖人くん、岡西晃生くん、魚部 亮くん(香川県立高松商業高校 1年) 

(2022年3月取材)

在室・在席表示システム「I:room」(いるーむ)の開発

 

センサーを使い遠距離からでもトイレや試着室などの空き状況を確認できることを目標として開発に挑戦した。RaspberryPi やmicrobitをインターネットに接続し、センサー値をWeb標準技術を活用してデータベースに記録させた。また、在室を手軽にモニタリングできるよう、専用の表示機を作成したほか、webアプリケーションを作成してajaxで非同期通信を行い、最新の状況を把握することができるようになっている。センサー機と表示機の、ペアリング、ペアリング解除は、2つの機器を同時に振ることで行える。データベースに入退室の記録から、掃除のタイミングや実施時間、その必要性などを検証する材料にもなり、様々な活用法が期待できる。python・PHP・SQL・HTML・CSS・JavaScriptなど、これまで情報科で学習してきた知識と技術を組み合わせて問題解決に取り組んだ。

 

※クリックすると拡大します。

 

■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。

 

部活動で、「Web×IoTメイカーズチャレンジ」というハッカソンに参加しました。

その時作った、赤外線センサを使って制作した在席・在室システムに課題点があり、改良を重ねていたところ、今大会を知り、発表することにしました。

 

「I:room」のもとになったアイディアが出た経緯は、部員メンバーがトイレに行きたいとき、先に人が入っていてつらい思いをしたことがあるという話から、トイレに人が入っているかどうかを、遠隔で知ることができたら便利だという話になり、プロジェクトがスタートしたと記憶しています。

 

開発を重ねていくうちに「I:room」がトイレだけではなく、試着室や塾の自習室、飲食店の個室などにも展開できると考え、今の形になりました。

 

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。

 

7月初旬から構想を初めて、研究が終わったのは1月下旬です。

 

 

■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。

 

部員全員がプログラム初心者で、なおかつミュニケーションが苦手だったので、とにかく「ホウレンソウ」ができず、作業の滞りがひどかったです。

 

みんなプログラム初心者なので、開発を始めたばかりの時は、メンバー全員何が何だかわからず、先生や先輩方に教えてもらいながらだったので、かなり先行きが不安でした。

 

また、問題解決にはそれぞれ最適なプログラミング言語があるので、システムが大きくなった分、様々な言語を複合して作成しました。そのため、それぞれの分野が明確に分かれたので、通信によるインタフェースの仕組みを理解し、お互いに意見を出しながら設計することに苦労しました。

 

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。

 

マイクロビットを振るだけでペアリングできるようにし、だれでも簡単に利用できるようにしました。

ajaxを用いページの更新をせずデータの更新が可能になり、利便性が上がりました。

マイクロビットとサーバの通信では、ラズベリーパイをゲートウエイとすることで、それぞれ独立した開発ができるようになりました。

 

汎用的に使えるように、取り扱いやすいデバイスの筐体を作成しました。自己満足に終わることなく、実際のオフィスで実証実験をさせてもらい、ニーズの検証やカメラセンサーの抵抗感などを調査することも行いました。

 

 

 

■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことがあれば教えてください。

 

さらに改良を加え、複数のサービスが同時並行で稼働できるように、ウェブアプリにログイン機能を付けたいです。(石丸くん)

 

 

在室以外の様々な情報もいろいろなセンサを使って調べたいです。(岡西くん)

 

 

IoTを活用して、人に役立つ様々な機器を作っていきたいです。(魚部くん)

 

第84回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より

 

 

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