第84回情報処理学会全国大会 第4回中高生情報学研究コンテスト
チーム名:星陵高校_科学同好会
中尾修志くん(兵庫県立星陵高校 2年)
(2022年3月取材)
自校の文化祭では金券の使用を前提とした模擬店での売買が行われていた。これには生徒会が大幅な時間と手間をかけて売上の集計、釣り銭の払い戻し、を行っていた。そのようななか、昨年のコロナ禍以来、自校にもGoogle Workspaceが導入された。これを利用するうちに文化祭キャッシュレス集計システムを思いつき、設計・開発に至った。設計にあたって、集計処理の効率化、エラー対策、条件の変更に対応可能であることを基本とした。特にエラー対策は信頼性の点から重要と考え、より多くの考察とコードの修正を行った。主な機能はQRコードの作成、売り上げの記録、請求書の作成である。自校のアートフェスタで小規模ながらも実証実験を行い、処理に及ぼす影響を把握し、それに応じた改善、エラー回避処理の追加を行った。また、将来的に本システムをオープンソースにし、県下各地の高校の文化祭で利用され、より発展させたいと願っている。
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■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。
最初は、文化祭での金券をめぐった小さな問題からでした。文化祭終了後の金券の集計や、使いそこねた金券の払い戻しなど、とても負担のかかる部分を生徒会が担っていました。また、コロナ禍の影響もあってGoogle Workspaceが導入され、利用するうちにこのキャッシュレスシステムを思いつき、開発に着手しました。
正直に言うと、ある先生たちの思いつきが始まりでした。初めてその思いつきを聞いたときは、正直「何をバカなことを言っているんだ....。」って思いました。「個人が月単位でそんなもん作れるわけないだろ」って感じでした。というか、今でも一人で作ってることに疑問を感じてますし、普通なら大人数で、年単位で開発するものではないのかなって思ってます。思いつきをここまで形にしたのでもっと感謝してほしいですね!(笑)
■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。
開発を始めたのが7月の後半からで、発表させてもらったところまでできたのが9月の後半なのでだいたい丸2か月です。夏休みが全部潰れました。(笑)
■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。
いくら探しても前例がなかったところです。最初はどれだけ調べても何の情報も出てこなくて、僕自身もプログラミングとか全く知識がなかったので、正直一番最初が一番しんどかったし、やめてしまおうかなって折れそうになりました。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。
タイトルにも「Google Workspaceを用いて~」とあるようにGoogleのサービスを利用して作らせてもらったんですが、これがなかなかに曲者で、iPhoneとの親和性がとても悪かったんです。初期の段階ではiPhoneからじゃQRコードも表示できない、注文もできない、というように酷くてiPhoneを叩き割りたくなりました。現在はiPhoneからもQRコードの表示や、注文もできるようにプログラミングを組んだので、そこに注目してほしいです。
■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことがあれば教えてください。
来年度に予定されている自校の文化祭で、このキャッシュレスシステムを運用することを目標に、より改善を行っていきたいです。来年度には僕も受験生になるので勉強に集中しなきゃいけないです。
第84回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より
※星陵高校_科学同好会の研究は、中高生研究賞奨励賞を受賞しました。