第83回情報処理学会 第3回中高生情報学研究コンテスト

文化祭の来場者状況を一目で把握! チケット不正転売防止にも新型コロナ感染対策にも大活躍!!

チーム名:高槻SSH

溝脇大智くん、小紫仁嗣くん(高槻高校[大阪府] 2年) 

(2021年3月取材)

QRコードを用いたコロナ禍における混雑緩和システムの構築

コロナ禍において、イベントでの感染リスクの軽減は急務といわれている。私たちは、イベント会場の混雑状況を可視化し、来場者に提供することの有用性を検証し、今後の感染対策に役立てようと考えた。そこで、本校の文化祭で実証実験を行い、混雑情報を見た人と見ていない人でどのような行動の差が生じるのかを調べた。具体的には、来場者に識別情報(学年、クラス、番号、券種)を含んだQRコードを事前に配布し、各教室の入退場時に任意でそれをQRコード読み取り機にかざしてもらい、集計したデータをもとに混雑状況をwebページで提供するシステムを運用した。また、このQRコードを混雑が予想された大規模教室の入場制限にも活用した。

 

※クリックすると拡大します。

 

■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。

 

私たちは、2019年度の文化祭において、来場者入場管理システムを制作し、入場チケットの不正転売防止を試みました。その後、今回のコロナウイルスが蔓延し、感染対策が注目を集めたので、研究を混雑状況の提供に関するものに変更し、今回のシステムを作成しました。

 

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。

 

前述のように、アイディア自体は1年前からありましたが、システムの具体案が決まったのは新学年が始まってからで、コロナ休校期間中(4・5月)に集中してシステムの制作をしました。その後も、文化祭前日(9月)まで試行錯誤しながら修正・機能の追加をしました。また、文化祭で集めたデータの分析に11月頃までかかりました。

 

 

■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。

 

先生方との打ち合わせで頻繁に計画の変更が入り、その都度資料やプログラムを作り直すのが大変でした。また、システムの仕様の最終決定が文化祭当日の2週間ほど前になってしまい、夜遅くまでデバッグをする日々が本当に辛く、当日にバグが見つかったときは本当に焦りました。

 

QRコード読取機を各教室の入口と出口に1台ずつ設置しようとすると、多数の読取機が必要となり、2種類のデバイス(Windows33台・iPad20台)を使用することになりました。そのため、同じ動作をするアプリを2言語で作らなければならなくなりました。また、書いたことのない言語を使わないといけなくなったり、2人しかプログラミングのできる人がいなかったりと開発に非常に苦労しました。

 

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。

 

各教室の混雑状況を来場者がスマホで見られるように、混雑状況別に色分けした地図を表示するウェブサイトを作成しました。リアルタイムで混雑情報を更新する必要があるため、読取機は常時インターネットに接続し、サーバーと協働させました。また、読取機がネットから切断されると、サーバーが自動で認識し、係員のスマホに通知が来るようにしました。通信が復旧した後も自動で読み取りデータをサーバーと同期するようにしました。このように、システムがいろんな端末をまたいだので、用途に応じて全部で8つものプログラミング言語を使いました。

 

データの分析では、通常のグラフ分析だけではなく、データをもとに人の動きを3Dシュミレーションしました。

 

 

 ■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことを教えてください。

  

QRコードではなく、Felicaカードを使って、いろんなシステムを提供したいです。

小さいものが集まって大きなことをするようなロボットを作りたいです。

カーネルを自作してみたいです。

 

 

第83回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より

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