コンピュータは人間の顔をどうやって判断するのか? プログラムを組んで確かめてみた
チーム名:理数科画像処理班
福山未来さん、松井美貴子さん、荒井嘉真さん(山口県立岩国高校 2年)
(2021年3月取材)
顔認証システムの構築と読み取り
近年、様々な顔認証システムが役立っている。そこから考えを広げ、私たちが人の顔か否かをどうやって判断しているかコンピュータで再現し、確認しようと思い、この研究を始めた。
実験には200枚の顔画像とそこから抽出した目の画像、自作のプログラムを使用。顔画像はモノクロにし、モザイク状に加工。モザイクにしたときの一区画をピースと呼ぶ。使用したプログラムでは、顔の画像と抽出した目の画像が合致すれば、青点が出る仕組み。口の画像を追加、細かな部分を修正しながら、実験を行った。本人の目や口でも判断されないことから、ピースの色を数値化しなおすプログラムも作成した。
結果として、完璧に再現することができなかった。考えられることとして、人間が顔を判断するとき、脳の働きで見えない部分が推測され、補完しているからだと考えられる。今後は、人間の補完しているであろう影響力を数値化し、それを取り込んだシステムで再度判定を試みたい。
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■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。
私たちが人間を人間と判断するときに、どのような点から判断しているのか気になったため、この研究テーマを選びました。加えて、最近では顔認証で携帯電話のロックを解除したり、防犯カメラで人の顔をとらえたりと、色々な場面で顔認証が使われています。そこからも、人の顔をコンピュータで処理することに興味を持ちました。
■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。
約1年間、放課後の1~2時間を使ってプログラムの製作に取り組みました。
■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。
今までしっかりとプログラムに触れたことがなかったので、プログラムを組むのに苦労しました。
また、プログラムを組んでも、全ての人間に適切な判断結果がでなかったので、そこからどうやったらより良いプログラムができるのか考えるのに苦労しました。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。
人間の顔が合致したときに、どこで合致したかを示すために、両目と口、3点それぞれに点を打って表示しました。どのくらい合致しているかを数値化して示す、合致数の表示も行いました。
■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことを教えてください。
今回の実験で、私たちは、人は人の顔を判断している時に、見た目以外にも思い込みが関係しているのではないかという結論を出しました。
なので、人間の思い込みなど、形にあらわすことのできないことを数値化できるようなプログラムを作りたいと思っています。
第83回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より
※岩国高校理数科画像処理班の発表は、令和2年度山口大学理学部ジュニアリサーチセッシ
ョン第4会場の最優秀賞を受賞しました。