コロナの今だからこそ! 世界中とつながり、子ども達の学びを深めるプログラミング教育を作る
チーム名:Next Educator
山本舞香さん(追手門学院大手前高校[大阪府]2年)
(2021年3月取材)
グローバルに論理的思考力を育むプログラミング教材(IOSアプリ)の研究・開発
初等中等教育におけるプログラミング教育の導入が注目されプログラミング的思考の定着が求められている。しかし指導者不足やコロナ禍による指導場所の減少など問題は数多くある。そこで、SWIFTを用いて、家でも世界中の人とつながり、指導者がいなくてもプログラミング的思考を共に育めるプログラミング教材(iOSアプリ)の開発を行った。子どもたちはこのアプリでオリジナルのビジュアルプログラミングを体験でき、またFIREBASEを用いたオンラインでの対戦形式の実装により、コミュニケーション力の定着が期待できる。
実際に教材検証として中学1年生12人にアプリを体験してもらい、その様子を観察した。結果としてコミュニケーションへの積極性やプログラミング的思考のはたらき、また語学への学習意欲が見えた。この教材がプログラミング教育の発展につながり、未来社会の構築につながると期待している。
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■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。
2018年にロボットの大会で世界大会に出場しました。そこは、日本とあまり関係のよくない国の子ども達とも、プログラミングの技術や意見共有をして、仲良くなれる場所でした。そこで私は、プログラミング教育は人をつなぐ魅力的な教育だと感じ、今回プログラミング教育についての研究を始めました。
そこでプログラミング教育に注目し、小学校での必修化が決まったことについて考えたとき、指導者不足、コロナ禍による指導場所の制限等、問題点があると分かりました。そして家にいても世界中の人々とつながり、指導者がいなくても子ども達が高めあえる教材開発を行いました。
■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。
約10か月です。4月に新型コロナウイルスが流行り、学校が休みになったり自粛要請が出されたりということもあり、もともと行っていたロボットコンテストも通常通り行えない状況になりました。そこで、自分の将来やりたいことに近いものに挑戦してみようと思い、5月ごろに家で開発を決めました。
今までこのように長い期間一人で何かを突き詰めるという経験はなかったため、わからないことも多く途中で諦めようと思ったこともありました。ですが、間違いなくこの10か月は私の将来を明確にし、頑張ることの大切さを改めて気づかせてくれた時間だったと思います。
■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。
開発に使用した言語swiftは初めて使ったので、一つのエラーで何日も悩んだりすることもありました。また開発だけでなく教材検証も行なったのでどのような検証をすれば私のアプリの学習効果を示せるのかと言う問題もありました。
教材検証では実際に子ども達に使ってもらうためのタブレット等も必要でした。そこでプロメテウス財団に私の研究についてお伝えしたところ、多くの支援をしていただき、私の研究が実現しました。感謝申し上げます。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。
ビジュアルコーディングを楽しく学ぶために、わかりやすくて綺麗なUI(ユーザーインターフェース)づくり、またミッション部分ではそのプログラムに対応した動きをしなければいけないため、2輪型差動駆動型モデルの動きを2次元上で立式し再現しました。それにより現実的な動きを見ながらプログラムを調整できます。
■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことを教えてください。
これからもプログラミング教育についての研究を続けますが、教材についてはミッションにもテーマ性があって意味のあるもの、プログラミング的思考だけでなく、他のさまざまな学問に結びつけられるものを開発したいです。
大学では自分自身がプログラミングやコンピュータのプロフェッショナルになれるように経験をたくさん積んで、小学生や中学生のプログラミング教育に有効なテーマを見つけたいです。
第83回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より
※Next Educatorの発表は、奨励賞を受賞しました。