(2016年7月取材)
人生2度目の投票を迎えたぼく、21歳は、大学の後輩にも選挙についてインタビューを行いました。
高木昭くん。同じ大学に通っている後輩で、ぼくが図書館で本を借りている時に向こうから話しかけてくれました。以来、一緒に映画を見たりと仲良くしていて、いろいろと話を深く聞くことができました。
―アキラは今19歳だよね。
そうです、19歳です。今回が初投票でした。
―投票に行ったんだね。
行ってきました。でも、その時間に予定が入っていたら、時間を割いてまで投票に行こうとは思いませんでしたね。空いていたから行ったんです。
―それはどういった政治への関心なのかな?
政治自体には関心があるというわけではないですね。一度、ジェンダー差別について考える機会がありました。その差別問題をデモによって解決するという解決策を女性の方が出したんですよ。でも、デモによって外側から圧を与えたところで、与えられる力って所詮限られている気がします。制度を決める中枢の部分に意見を届かせるにはどうすればいいのかということを考えました。選挙って、数の力で中枢に意見が届くわけじゃないですか。
ぼくの今回の投票は、「おっ、若者も案外投票してるじゃないか。少し彼らのことも考えなければならないな」と中枢に考えてもらう、そのためだけの1票です。どの党に入れるかというのは一応考えましたけど、とりあえず、19歳として票を入れようと思いました。
―投票をする際に気になる法案はあったりした?
ぼくが気になったのは、医療用ヘンプ(大麻)。これを推進している政党があったんです。大学の授業で、神主をやっているラッパーの方が、選挙をプレゼンするラップをやっていたんです。「医療用、医療用。ヘンプで潤うこの文化。」みたいなのを聞いて、その面白さにひかれてこんな政党があるんだって知りました。まず面白くないとみんな行動に移そうと思わない。面白くないとみんな興味を持たない、っていうのがぼくの入り口ですね。
―最後の質問です。10年後の社会はどのようになっていて欲しいですか。
もう少し寛容になればいいなと思います。今は、通っている大学がすごく寛容で、これをやりたいと言うと、「こういうやり方があるんじゃない?こういうふうもできるんじゃない?」って言ってくるんです。そしてすぐに、「もうやってみた?」という環境なんです。でも、少し外に出てみると、「これやりたいんだよね!」と言うと、「こういうことがあるし、こういう理由があって、そもそもやる意味あるの?」みたいに、障壁障害を作りたがる人が多いなって思います。それに対して、閉塞感を感じてしまっています。
だから、大学の人たちが、マイノリティーなのかなと思うとすこし悲しくなりましたね。障壁を立てたがる人たちの方が圧倒的マジョリティだったんだって、思いました。もう少し社会全体の雰囲気が寛容になればなと、願っています。