(2016年7月取材)
2016年7月10日の参議院選挙では、新たに18歳、19歳の人たちにも投票する権利が与えられました。ぼくは現在21歳で、今回の投票は人生で2度目になります。初めての選挙は、少しドキドキしていたのを覚えています。「誰に投票しようか?」だけでなく、「こんなに投票はスムーズなんだ。」や「母校が投票所になっている!」と、一つひとつのことが新鮮で、印象深い日になったのを覚えています。
町田彩夏さんも「みらいぶプラス」の記事で書いていますが、「無料でドキドキ感をあじわえる最高のイベント」だと思います。
→選挙最大の魅力は、若者という少数者が、マジョリティに勝つことのできる唯一のチャンス
高校時代から政治参加してきた、政治アイドル・町田彩夏さん(20歳)からのメッセージ
そして、ぼくは投票が今回で2回目ということで、自分以外の人たちの投票行動にも興味が湧いてきました。今回、選挙年齢の引き下げで新しく選挙権を得た人々は、どういったことを考えているのだろう。ニュースやSNSでは、選挙の争点や、18歳選挙権のことが盛んに取り上げられています。年がずっーと上の大人たちは、若者に対してあれこれ言ったりするけれど、実際の若者はどういったことを投票について考えているんだろう。自分が投票に行った時に投票に来た若い人や、自分の周りの「新有権者」の友達にも小さなインタビューをしてみることにしました。
21歳、地元の小学校へ
7月10日、久々に地元である東京都三鷹市井の頭に足を運びました。といっても数か月ぶりの再訪です。ぼくは今21歳で、今回が人生で2度目の投票になります。昼すぎに最寄りの駅に着いて、そこから歩くこと10分で家に着きます。懐かしい道を歩きながら、小中の同級生の家の前を通り過ぎ、彼らに久しぶりに会えないかなぁなんて数人の顔を思い浮かべたりしました。
現在、ぼくは神奈川県の湘南にある大学に通っていて、そこの大学は井の頭の家から通学すると往復で3時間以上もかかります。そういった理由で、大学の近くで友人たちとシェアハウスをしていて、普段はそこにいることが多いです。投票は住民票がある三鷹市で行うので、この家までの長い道のりは、楽しくもあり、めんどくさくもあります。(大学には地方から来ている友人がたくさんいるので、住民票の関係で投票に行かない人がいるということも知りました。)
家に着き、投票に行く準備をします。といっても、家に有権者1人ひとり宛に投票に行くためのチケットのようなものが届くので、それを手に入れるだけです。それを持って、家の近くの投票所に行きます。歩いて5分、家からのすぐの小学校が投票所になっていました。
インタビューを受けてくれる人を探すも・・・
数分で投票をすませた後、今度は、投票に来ている僕より若そうな人たちを見つけてインタビューを開始です。といってもなかなかうまくは行かず。2時間粘って、5人に声をかけ、やっと1人の方にインタビューをすることができました。
余談ですが、なんでインタビューは断れられるのでしょうか。もちろん、ぼくの服装、話しかけ方、時間帯なども要因だと思います。しかし、どうも「政治について語ることがタブー」である、という空気を感じました。寒川友貴くんが「みらいぶプラス」の別の記事で書いているように、「18歳選挙権世代は他の選挙権を持つどの世代よりもこれから長く日本で生きていく」世代です。今後、日本の政治を作っていくためには、1人ひとりが意見を言える空気を、どの世代に限らず、作っていくべきだと感じました。また、大切なのはどの党に投票するかよりも、どのような思考プロセスを経て投票に個人として関わったのか、だと思います。意見を言える空気とともに、「考えることを考える空気」を作っていきたいと考えています。
→18・19歳よ、選挙に行こう! 投票に行かないと若者が損をする!
寒川友貴くん 早稲田大学教育学部2年・19歳
意見は完璧じゃなくていい。どんなに調べたって、どんなに考えたって、政治というものをわかった気になることなんてありません。自分よりずっとずっと政治に詳しい人たちでも意見が食いちがい、時に間違えるのですから。その場、その場でベストだと思える決断をし続けることが大切だと思いますし、その時の自分の意見を表明する、という意味で、ぼくは選挙に行くということが大切だと考えています。
みらいぶプラス「選挙特集」
◆選挙最大の魅力は、若者という少数者が、マジョリティに勝つことのできる唯一のチャンス ~高校時代から政治参加してきた、政治アイドル・町田彩夏さん(20歳)からのメッセージ
学問本オーサービジット(協力:筑波大学)より
◆何を手がかりに投票すればいい? 『イデオロギー』を図書委員で読んでみた。開成中学・高校図書委員会、政治学者と語る
竹中佳彦先生 筑波大学人文社会系
◆過去の実績?政策?人柄? 18・19歳新有権者は何を基準に投票するのか
<18歳の高校生+19歳の大学生が討論>
さあ選挙権がやってきた。関心は? 高校の「政治教育」。授業では何を教えてほしい?
◆18・19歳よ、選挙に行こう! 投票に行かないと若者が損をする!
寒川友貴くん 早稲田大学教育学部2年・19歳
◆18・19歳の新有権者はどんな政治意識を持っているか ~教育的な効果が高い模擬投票
小林良彰先生 慶應義塾大学法学部
◆18歳への選挙年齢引き下げは「タナボタ」的に決まった ~それでも、若い人の政治への「気づき」の原点になるだろう
西川伸一先生 明治大学