情報処理学会第82回全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスターセッション発表
チーム名:北斗情報班2
北海道北見北斗高校 2年
後藤 駿介くん、栄浪 健人くん、十亀 航輝くん
(2020年3月取材)
「Pythonを用いた画像処理による文字認識採点支援システムの開発」
■発表の内容
私たちは、Pythonを用いた画像処理による文字認識採点支援システムの開発をした。 近年,過労死認定などでメディアでも大々的に取り上げられる等,教員の労働環境が根深い問題である教員の労働環境について、 情報科学の観点から、労働の負担を減らす事が出来ないかと考えた。 先行研究によると、教員は採点業務に大きな負担を感じている。 また、教員がフリーウェアの採点支援システム「採点斬り」を利用していることと、利用について問題点があることを知った。 教員への聞き取り調査によって浮かび上がってきた問題点は以下の通りである。
・画像形式がjpgしか対応していないこと。
・画像切り取りの際、失敗した場合に1度しか戻れないこと。
・〇△?のボタンがなく、コメントでしか付けられないこと
・点数の表示される位置が固定されていることである。
これらの問題点を解決するソフトウェア開発を試みた。 完成した場合、通常の業務時間から約半分の時間で採点処理を行えることが予測される。
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■今回発表した研究を始めた理由や経緯は?
僕らはもともと情報の研究を行うということでグループを結成し、テーマを検討していました。
テーマ設定で悩んでいたところ、先生方が使用している「採点斬り」というフリーソフトの存在を知り、そのソフトがここ10年程、アップデートされていないということを耳にしました。さらに、ここ数年教員の残業や多忙化が問題視されており、残業の内、その大きな割合を占める持ち帰り業務や採点等の業務に課題があることを知りました。ということで、今回、前述のソフトに関わる様々な問題や多忙化に関する課題を改善した採点ソフトの開発を行おうということになりました。
■今回の研究にかかった時間は?
約9か月です。
■今回の研究で苦労したことは?
僕らは主にプログラムの作成を行ったのですが、僕らはもともとプログラム言語はほぼやったことない初心者でした。ですので、プログラム作成に当たりゼロからの作成となったことが一番の苦労となりました。
途中まである程度の形を作りましたが、勉強していくと、違う書き方や表示(インターフェイス)の方が良いなどの変更も多く、一つの動作で一日を費やすということがほとんどといっていいほど大変でした。
研究を進めていくにつれ、形になっていったり、想定していた通りに動作したりしてくると、達成感は半端ではなかったです。まったく知識ゼロからものを作るというのはとても大変で、進みも遅くなりますが、できた時の達成感に敵うものはないと思いました。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?
色々見てほしい動作やものがあるのですが、まだソフトとして形になっていないので、お見せするものが実機としてありません。
工夫した点といえば、当たり前のことかもしれませんが、単純な動作をうまく組んで複雑な動作を作る、つまり動作をフローチャート等で図示し、場合に応じて最適な動きができるようにしたことかもしれません。当然ながら、始めたころは最後のビジョンや一連の動作を一つのものとしてしか見ておらず、まったくプログラムとして書き換えることができませんでした。
しかし、書いていくにしたがって少しずつ要領を掴み、それができるようになっていきました。
工夫とは少し違うかもしれませんが、そのようなところが初心者だった僕らがした工夫です。
■オンラインの発表と実際の会場での発表のどちらがよかったと思いますか?
実際の会場を味わっていないのでどちらが良かったかはわかりませんが、僕らとしては、どちらかというと、やはり実際の会場で行うほうが嬉しかったです。
今回このようなオンライン審査に縮小したためポスターのみとなり、他の人と交流などもしてみたかったですし、終了後の研究発表も聞きたかったですし、個人、経験の観点からみても現地での開催が望ましかったです。
■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことは?
今回開発しているソフトが完成していないので、頑張って完成させたいと思います。研究としてはAI OCR(GCP、AWSなどのVision API等)の限界についてというものには興味があります。
第82回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より