情報処理学会第82回全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスターセッション発表

モーションキャプチャーを使ってバーチャル避難訓練を開発してみた!

チーム名:team HLY

北海道北見北斗高校 2年

堀澤 日景くん、石澤 空蒼くん、佐藤 嶺二くん、栗𠩤 健太郎くん 

(2020年3月取材)

「KinectとHMDを用いたVR避難訓練体験システム」

 

■発表の内容

 

本研究では、怪我や身体的障害などの理由で避難訓練に参加できない人がいることに問題意識を感じ、先行研究をもとに避難訓練体験システムを開発した。 本システムはKinectというユーザーが特殊な装置を身に着けずにモーションキャプチャーを実行できる装置を用い、特定のジェスチャーによって3Dモデルを操作する。この方法により、マウスやキーボードのような現実世界とかけ離れた操作を用いずに直感的に操作することができる。設定は地震発生後の校舎からの避難を想定した。避難訓練としての有用性を得るためには周囲状況や避難経路の判断能力を養うことができる必要があると考え、避難中の不適切な行動を判定、記録し、ゴールである玄関に着いた時点で表示するようにした。 私たちの課題として、開発の遅さ故に、実験、検証が行えず、本システムの有用性を確かめられなかったこと、また、VR部分の実装、VR酔いに対する検証も不十分であったことが挙げられる、今後は、第三者によるアンケートを実施し、意見からシステムの有用性を高め、Kinect初心者でも容易に移動できる操作の実現、より危機感を持たせることができる避難訓練体験システムの実現を目指していく。

 

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■今回発表した研究を始めた理由や経緯は?

 

最初は、チームで研究してみたいと思ったテーマを箇条書きで挙げていくところから始めました。

 

5月ごろに、VR技術に興味があったことから、3Dモデルのトラッキング技術について研究しようという大まかな仮の方向性が決まりました。ですが、テーマの具体的な部分が決まらず、活動時間にメンバーで集まる度に情報処理学会の論文等で先行研究を漁っていく中で、7月にメンバーの一人が「避難訓練をもとにゲームを作り、疑似的に避難訓練を行えるようにする」という案を出し、テーマが決定しました。 

 

 

今回の研究にかかった時間は?

 

2年次の学校活動の一環だったので、約1年です。

 

■今回の研究で苦労したことは?

 

研究内容を深めたり、仮説を設定したりするまでに時間を要してしまい、機材を注文し、届いたのが9月で、開発期間を十分にとれなかったことです。この研究ではプログラミング言語としてC#やリアルタイム開発プラットフォームのUnityを用いる必要があり、C#やUnityに関してはメンバー全員が初めて扱うもので、いろんな記事やサイトを見様見真似にやっていたことから、とても進度が遅かったことが大変でした。

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は? 

 

機能としては、足が不自由な人でも扱えるように、座って上半身の動きのみで操作できるようにしたことです。工夫としては、操作する際の特定のジェスチャーを判定するために、人体の特定の関節部位が一定の体からの距離を超えているかどうかで判定しているところです。

 

オンラインの発表と実際の会場での発表のどちらがよかったと思いますか?

 

もしコロナウイルスのことを考慮しないでいいなら、実際の会場での発表の方がよかったと思います。理由としては、私たちの研究は実際に実演しないと、伝わりにくい部分がかなり多く、ポスターや説明文だけでは伝え切れないことなどから、本来の魅力を伝えきれなかった部分があると感じました。

 

■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことは?

 

受験生になるので、このチームで一緒に開発や研究を行うことは残念ながらもうないだろうなと思います。情報学とは少しずれますし、実際にできるかは別とすれば、ご当地バーチャルユーチューバーを作成することで、地域の知名度上昇はどれほど見込めるか興味を持っています。

 

 

第82回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より

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