情報処理学会第82回全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスターセッション発表
チーム名:UECスクール
鈴木 悠太くん(矢板東高校 2年)、大石 彰人くん(東京学芸大学附属高校
2年)、清水 大輔くん(工学院大学附属高校 1年)
(2020年3月取材)
「micro:bitを用いた農業用遠隔地モニタリングシステム」
■発表の内容
私たちのグループは、uec:bit (micro:bitの電通大互換機)を用いた農業用遠隔地モニタリングシステムを考案した。
このシステムは、遠隔地の湿度と温度、気圧のデータを監視することができるものである。
私たちは、このシステムを実現するために2つの装置を製作した。
一つ目は、Bluetoothを用いた装置である。この装置は1台のmicro:bitとセンサーを搭載した3台のuec:bitがBluetoothで通信し、micro:bitと気象データを見るPCはUARTで通信する。micro:bitとuec:bitの通信部分はJavascriptで、micro:bitとPCの通信部分は Processingで実装した。
二つ目は、WiFiを用いた装置である。この装置はBluetoothを用いた装置に加え、PCの代わりにRaspberry Piを用いた。データが送られたRaspberry PiはサーバーにそのままWiFiを通じてアップロードする。ユーザーはWebアプリを通じてデータにアクセスできるようにした。WebアプリはJavascript、Raspberry Piで行う処理はPythonで実装した。
今回、製作した装置は耐久性がないという問題点がある。防水や防塵して装置をより頑丈にしたい。
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■今回発表した研究を始めた理由や経緯は?
※鈴木くんに回答してもらいました。
私たちは電気通信大学の教育プログラムUECスクール(※)で、8月からプログラミングについて学びました。そのプログラムの活動の一環で、uec:bit (micro:bitの電通大互換機)を用いた装置の製作を行い、uec:bitの特性を生かした装置として、農業用遠隔地モニタリングシステムを考案しました。
※電気通信大学 高大接続教室
■今回の研究にかかった時間は?
UECのプログラムは8月の後半からの4か月ありました。開発期間は、12月後半からの約2か月ですが、本格的にできたのは実質1か月程度です。
■今回の研究で苦労したことは?
チーム全体では二つあります。
まず、それぞれ学校が違い、離れた場所に住んでいるため、メールでやり取りしなければいけなかったことです。
次に、uec:bitで動作確認を行うことが難しいため、uec:bitを使った部分は、12月に製作したもので固定しなければいけなかったことも大変でした。
次に、自分の中で大変だったことは二つあります。
まず、Azureなどのクラウドに関しての知識が全くなかったので、そこの開発についていけなかったことです。
また、ちょうどコンテストの時期に、多言語コンテストで若者言葉専用の翻訳アプリのSlangerの開発をしていたので、これに時間を割くことがなかなかできなかったことです。ただ、チームメイトの大石さんと清水さんが頑張ってくれたおかげで、何とかシステムを形にすることができたと思います。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?
二つあります。一つ目はがUI(ユーザーインターフェース)です。誰でも使いやすいようにデザインしました。
二つ目は、自由度です。開発中にuec:bitがなかなか利用できなかったので、Arduinoで代用していました。そのため、有線で接続する場合はArduinoなども使えるシステムにできました。
■オンラインの発表と実際の会場での発表のどちらがよかったと思いますか?
実際の会場での発表が良かったです。できれば専門家の方に直接アドバイスを頂きたかったです。
■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことは?
今やっていることは三つあります。一つめは、多言語コンテストで発表したSlangerの開発をすることです。すでにAttention機構付きのSeq2Seqを実装しましたが、これからはTransformerを実装したいとおもいます。
二つめは、ボードゲームのAIのAlphaZeroをJavascriptで実装することです。このコンテストでもオセロのAIの発表がありましたが、そのAIに勝てるようにしたいです。
三つめは、Raspberry Piで四足歩行ロボットを製作することです。今回の研究を生かしたいと思っています。
第82回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より