第3回全国高校教育模擬国連大会

郁文館グローバル高校[東京都] 上永野裕真くん(1年)、吉田遼くん(3年)

担当国:モロッコ 

(2019年8月取材)

 

■皆さんの担当国は、移民についてどのような立場を取っていましたか。

 

我々はモロッコ大使として「経済特区」という政策を掲げました。移民について、我々は「先進国と発展途上国の架け橋」というスタンスをとっており、その考えに基づく政策を掲げていたので、多数の国の協賛を得ることに成功しました。

 

■教育模擬国連出場に向けて、どのような準備をしましたか。

 

最初に、事前に提出が必要な担当国のことをまとめる「PPP」の作成をしました。他にも担当国以外にも協力できそうな国を調べたりしました。特に「Moderation」の際の発言は一番工夫しました。この発言は唯一、全大使に聞いてもらうことのできるチャンスだったので、相当悩みました。(上永野くん)

 

初参加で、なおかつ前提の知識が無い状態でのスタートであったため、マニュアルを徹底的に読み込み、自分でシミュレーションを何回も行って対策しました。特にシミュレーションの効果は絶大で、あらかじめ行動パターンを決めていたためにどんな状況になっても対応することができました。正直、準備期間も短かったため、かなり大変ではありましたが、3日間でマニュアルを暗記できたことが大きかったと思います。

 

シミュレーションについても何通りか用意し、様々な状況に対応できるように準備しました。特に、資料を探す過程で英語資料を参照する際は数も多いため、時間がかかりました。36ページの文書を頭に叩き込んだりと、かなり勉強しました。(吉田くん)

 

 

■準備の段階で苦労したことがあれば教えてください。

 

自分は二つ苦労したことがありました。一つ目は「PPPの作成」です。日本のサイトに担当国の情報が載っているとは限らないので、海外のサイトから引っ張ってきたり、大使館に聞いたりして、作業はとても難航したことを覚えています。

 

二つ目は自分のコミュニュケーション能力に苦労しました(^^;)。他国との交渉時は瞬時に互いの状況を整理し、両方が利益を得られる案を提示するのですが、自分は瞬時に考えることが苦手だったのでとても苦労しました。(上永野くん)

 

前日にリストアップした国々へのメモ書きを夜通しで行ったのは大変でした。(吉田くん)

 

■大会当日は、どのようなことに気を付けながら会議に臨みましたか。

 

自分は自国の利益を追求すると共に、協賛してくれる国を増やすために「相手のことを想う」ことを常に考えて臨みました。例えば、非着席討議(アンモデ)の際は、悩んでいる国などに自分から声をかけ、説明をしたり常に自分から動くことを意識して頑張りました!(上永野くん)

 

自国との国益にそぐわない国の国益も考慮しつつ、草案を作成しました。なるべく他国と自分たちの策がWin-Winの部分を探し、Fitさせていきました。昼食はカロリーメイトで済ませて時間を確保しました。昼食中の各国大使とコミュニケーションを軽く取り、顔を広げました。そして非公式討議の際には、政策の話をしやすい関係を作りました。なるべく、心から距離を近づけるべく行動するように笑顔を大切にしました。(吉田くん)

 

■会議を進める上で一番大変だったことを教えてください。それをどのような工夫や努力で乗り越えましたか。

 

大変なことがたくさんあったのですが、特に大変だったのは離れていくスポンサー国を引き止めるこです。様々な国が集まると、どうしても方向性の違いが出てきてしまいました。なので、自分らのグループから離れていく場面が多く見られました。そこで自分は先輩と協力して別々の役割を担い乗り越えました。(上永野くん)

 

グルーピングにより、策が似ているにも関わらず、他のグループのリーダー国と交渉することが遅れてしまったことです。政策への理解がなかなか得られない国を、時間がない中で端的な説明で説得することが大変でした。(吉田くん)

 

■議場の大使をひきつけるすばらしいスピーチをされたと思います。事前の準備や、当日その場で工夫したことがあれば教えてください。

 

準備なんて全くしていませんでした(笑)。実は、スピーチを誰が話すかさえ決まっておらず、後輩に押し付けるのも癪なので、私が壇上に上がりました。ただ初日に、政策ベースの話をするのはやめようと決めていました。政策の話はいくらでもできる。どうせなら、我々のスタンスを笑いも含めて伝えられれば良いなと思いました。緊張で張り詰めている空気の中、某政治家のキャッチフレーズを引用することは正直恐れ多かったですが、それが功を奏し、その後積極的に話しかけてくれる大使の方が多かったのは嬉しかったです。(吉田くん)

 

■教育模擬国連に参加した感想をお話しください。

 

自分はこの模擬国連大会に参加して、とても得るものがたくさんあったと感じました。特に、その得たもので自分をさらに成長させられたことは、貴重な体験でしたし、新しい世界を知ることができました。また、新しいものを得た代わりに、自分の「課題」が浮き彫りになったので、また次参加する際は今より良い自分で参加したいとも思います!

 

最後に模擬国連は誰でも新しい刺激をうけ、成長することができますし、終わったあとのあの達成感は人生の中でも数少ないものになると思います。参加できて本当によかったです!(上永野くん)

 

全国の優秀な高校生たちと出会い、熱く討論出来たことは、受験前の私にとって、刺激的かつとても価値ある時間でした。初参加でしたが、ここまで伸び伸び楽しく模擬国連を楽しむ事ができたのは、事前の準備が万全の状態で当日を望んだ事が大きかったと思います。前日の準備が当日の自信を生み、心も体も軽かったです(少々寝不足でしたが(笑))。振り返ると、賞とかは全く気にせず、ただ楽しむことに一生懸命だった事が、今回の結果につながったのだと思います。これから私は受験を控えていますが、模擬国連で得た自信で、頑張ろうと思っています。(吉田くん)

 

 

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