情報処理学会第81回全国大会中高生ポスターセッション発表
千葉県立柏の葉高校 情報理数科
大谷航也くん(1年)、森優貴くん(1年)、國武悠人くん(1年)、薮内涼太くん(1年)
(2019年3月取材)
VR空間を活用した広告システムの開発及び運用
インターネット広告というと、多くの人は「見たくない」「邪魔だ」「ストレスを感じる」といったネガティブなイメージを持つと思います。しかし、私たちはVR空間を活用することで、既存のインターネット広告のデメリットを解消することに成功しました。
デメリットを解消するにあたって、私たちは東京都心のビル屋外広告に着想を得ました。屋外広告はストレスにならず、通行人に内容を印象付けることができます。そこで私たちは、屋外広告のモデルを「VRChat」というVR空間を利用したチャットサービスの中に実現しました。また、インターネット広告ならではの強みである「リアルタイムの更新」を可能にするため、Unityの拡張機能でVR空間を作成する「VRC_Panorama」と、Googleの「Google AppsScript」を使って、現実の屋外広告では不可能なリアルタイム更新を実現しました。
また広告の効果を集計するため、VR空間に来ている人数がわかるサイトから、Pythonで人数のデータをウェブスクレイピング(サイトからのデータ収集)して、Excelデータにまとめる仕組みも作りました。そして運用後は、実際に広告を見た人からは好意的な意見をいただくことができました。
この研究から私たちは、VR空間に屋外広告のような形で広告を表示するモデルは、新たな広告のモデルとして非常に有用であるという結論を得ることができました。
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■研究を始めた理由や経緯は?
VRのハードウェア(VRゴーグル等)は知名度があるのに対して、VRのソフトウェアは印象が薄いことに気が付きました。なぜ、サービスが普及しないか考えたところ、気軽に収益化できる方法がないのではないかという考えにたどりつきました。そこで私達は、VR空間で気軽に収益化ができる仕組みとしてVR広告を考案し、開発に取り組みました。
■かかった時間はどのくらい?
半年かかりました。
■今回の研究で苦労したことは?
過去の広告システムの分析と、システムの実装を行う3D空間の確保です。特に、3D空間自体は自分たちが作ったものではないので、所有者と密に連携を取りながら、こちらが開発したシステムを導入してもらいました。
■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?
リアルタイムの広告更新を可能とするため、GASを使って環境を構築しました。私達が開発したVR空間への表示システムは、インターネット広告と屋外広告のハイブリット型というべき他に類を見ないものなので、興味のある人はぜひ連絡をしてほしいです。
■今回のポスター発表の感想をどうぞ!
賞を取ることはできませんでしたが、ポスターセッションにおいて多くの人からの意見などをいただけだので、今後の改善につなげていきたいと思います。また、他団体の発表から新たな視点を得ることができました。