第2回全国高校教育模擬国連大会に参加して

アルゼンチン大使

中央大学杉並高校[東京] 手塚咲来さん、石田太一くん(2年)

(2018年8月取材)

 

皆さんの担当国は、サイバーセキュリティについてどのような立場を取っていましたか。

 

アルゼンチンはこれまでにサイバー攻撃を受けた事例がとても少ないのですが、それは決して対策が万全というわけではなく、セキュリティに関してはブラジルとしか連携を結んでいないなど、たいへん遅れを取っている現状です。そのため、国内での表現の自由を尊重しつつも、南米諸国と連携を結んだ上で、さらにヨーロッパやアメリカといったサイバー先進国からの人材派遣を実現し、セキュリティの強化を行うことを望んでいました。(石田くん)

 

多くの南米諸国と同様にサイバー後進国のポジションにいるので、サイバーセキュリティの能力を高めていくことを目的とし、他国から支援をしてもらうことがまず大切なことだと考えていました。(手塚さん)

 

教育模擬国連出場に向けて、どのような準備をしましたか。

 

教育模擬国連に出場するまで、僕は国連でどのような話し合いや決議をするのかということを全く知りませんでした。そのため、いろいろな専門用語や一連の流れをきちんと把握できるように準備しました。(石田くん)

 

アルゼンチンという国の歴史や政治、サイバーセキュリティに対する体制を調べたり、どの国とどんな協定を結びたいかを具体的に考えたりしていました。(手塚さん)

 

準備の段階で苦労したことがあれば教えてください。

 

自国の経済状況や携帯電話の普及率は、インターネットで調べれば出てくるのでよかったですが、自国が今回の議題に対してどういう政策・方針を取ればいいのかという、答えが載っていない回答を作るのは難しかったです。(石田くん)

 

アルゼンチンについて書かれたサイバーセキュリティの文献が少なく、情報集めに苦労しました。また、サイバーセキュリティに関する用語が難しく、一つ一つ理解していくのが大変でした。(手塚さん)

 

大会当日は、どのようなことに気を付けながら会議に臨みましたか。

 

サイバーセキュリティに関しての対策を必要とするため、先進国に支援をもらえるよう交渉しました。また、欧米グループと中国、ロシアのグループが2つに割れてしまったとき、私たち中南米グループが間を取り持つことができたと思います。(石田くん)

 

1対1で周辺国との交渉を試みました。こうすることで、お互いの意見を通しやすくしたり、言いやすくしたりすることをねらったからです。周辺国であれば、ある程度抱えている問題は似ているので、話しやすいと思いました。(手塚さん)

 

会議を進める上で一番大変だったことを教えてください。それをどのような工夫や努力で乗り越えましたか。

 

政策が更新されていく中で、どこまでを妥協してどこまでが譲れない所かを、その場その場で判断するのは難しかったです。(石田くん)

 

最後の最後まで2つに意見が割れてしまっていたことです。しかし、新たな決まりを作り、認め合ったり、規定を緩めたりして、無事コンセンサスに結びつけることができました。(手塚さん)

 

教育模擬国連に参加した感想をお話しください。

 

自分よりはるかにいろいろな知識を持っている同年代の人たちと学習できて、とても貴重な体験になりました。(石田くん)

 

初めての参加で、最初は何が何だかわからなかったのが本音です。やっていくうちに、交渉のやり方や意見の伝え方のコツを覚え、どんどん楽しくなっていきました。また、根拠の充分な意見や味方がいる意見はすごく力があるなと感じました。正直、内容も難しくとても大変でしたが、国連について、楽しく身をもって学ぶことができました。(手塚さん)

  

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