中村大喜くん 名古屋高校[愛知県] 2年
アメリカ大使
(2018年8月取材)
あなたの担当国は、「2030年までの教育目標」について、どのような立場を取っていましたか。
我々アメリカ大使は、先進国と発展途上国のあいだの橋渡し役の立場に立ちました。我々は、何よりもまず「質の高い教育」を定義することが必要だと考えました。定義がなければ、具体的な政策に移ることができないと考えたからです。しかしその中で、先進国と発展途上国の定義する「質の高い教育」に差異が生じ、議論が滞ることが予想されました。そのためには両者の調停が必要であると考えたので、橋渡し役に徹しました。
模擬国連関西大会出場に向けて、どのような準備をしましたか。特に準備の際に苦労したことがあればぜひ教えてください。
私たちは、アンモデレート・コーカス(非着席討議)の時間に、先進国と発展途上国の2つのグループに分かれることを予想して、担当国のアメリカの立場とは異なる発展途上国が、教育に関して何を求め、どのような状況なのかを事前にリサーチしました。リサーチにより、当日は円滑に交渉を進めることができました。また、各国で識字率や教育普及率が異なる中で、全世界共通の教育目標を作るにあたり、各国大使が納得するような具体的な政策を作ることに苦労しました。
大会当日は、どのようなことに気をつけながら会議に臨みましたか。
アンモデレート・コーカスの時間に、できる限り議場での主導権を握ることに気をつけました。より多く発言をすることによって、自然とグループ内では進行役を担う立場につくことができたと感じます。また、多くの大使の賛同を得られるように、積極的に外交を進めました。
会議を進める上で一番大変だったことを教えてください。それをどのような工夫や努力で乗り越えましたか。
グループ内で乱立していた決議案を一つにまとめると共に、今会議において意義の大きい決議案にすることに、とても苦労しました。今回、時間が限られている中で、グループ内で各々の得意分野に分かれ、同時進行で作業を行うことで効率的に決議案を作成し、採択することができました。
模擬国連関西大会に参加した感想をお話しください。
今大会は、参加者同士の距離が特に近かったように感じました。自分の意見に賛同してもらえたことに喜びを感じるとともに、初出場の方々が積極的に発言されている姿にとても刺激を受けました。様々な意見や主張が飛び交うなか、それらをグループでひとつの決議案へまとめあげたときの達成感は、なんとも言えないものでした。また、全国から集まった参加者の方々と年齢、性別隔てなく仲良くなれることが模擬国連の最大の魅力の一つだと、改めて感じることができました。