(2017年4月掲載)
高校生が地域の資源を活用し、地元の企業の人たちの協力を受けながら商品開発を行う試みが、全国の様々な地域で行われています。今回みらいぶが取材したのは、一般社団法人i-clubが開催した、「Think Next! i-club Meetup! 2017」で発表した高校生の皆さんです。
◆部員数13人(うち1年6人・2年3人・3年4人)※4/18現在
◆答えてくれた人 渡部菜摘さん(3年)、阿久津和さん(2年)※学年は発表時
西会津高校の皆さんは、町の特産品である車麩(ふ)を使ったスイーツ作りに取り組みました。車麩は、一つひとつ炭火で焼きあげる伝統的な製法で作られ、煮物や鍋物などおかずとして食べられていますが、観光客にはあまり知られていません。そこで、高校生たちは車麩の製造業者と地元の老舗和菓子屋と協力して、観光客にも手軽に楽しんでもらえる、車麩の特長を生かしたスイーツ作りに取り組みました。苦労の末に出来上がったラスクは、「思わずフフフッと笑いがこぼれるお菓子になってほしい」という願いを込めて、「フフフッスイーツ」と名付けられました。今は西会津町の「道の駅」でも販売され、町の人気スイーツとなっています。
■皆さんの研究について教えてください。
私たちの活動は、部活動として行っています。話すことが好きな人や人前で発表するのが好きな人、逆に人と話す事や発表が苦手で克服したい人などが集まっています。活動内容は、西会津町の特産品の魅力を学び、私たちの町の事業者と一緒に商品開発を目指して地域活性化へとつなげる活動です。
■商品開発にかかった時間はどのくらいですか。
活動は月に2回、放課後2時間行って、7月上旬から2月中旬までかかりました。長期休業中は、集中して1週間朝から15時頃まで活動しました。
■商品開発ではどんなことにいちばん苦労しましたか。
アイデアから試作を行う中で、考えていたものと実際に作ったものとは違う部分があって、何度も改善したり、違うアイデアを試してみたりと苦労しました。途中、心が折れた部員が出てしまい、励ましながら進めていきました。
■今回の活動で、いちばん頑張ったことを教えてください。
試作とプレス会見での発表です。
■皆さんの商品で、ココは工夫した!という点を教えてください。
車麩の形状を知ってもらうため、ドーナツ状の形をそのまま使用しました。また、車麩本来の味と、身の詰まったしっかりした食感を活かすようにしました。そして、パッケージでは西会津町の魅力をゆっくり、ゆったりと伝えたいという想いをロゴで表現しました。
■今回の活動で、地元について調べたり、地元で活躍する人たちと接する中で、どのようなことを学べたと思いますか。
協力することの大切さです。0からスタートしたこの活動は、私たちだけではアイデアを考え、商品にすることはできなかったと思います。
■今回の経験は、今後の進学や就職にどのように活かされると思いますか。
私は、就職を考えています。7月から就職活動が始まります。この活動で学んだことを活かして、就職してから何かアイデアを考えてほしいと言われた時、誰かが困ったり悩んだりしている時に、協力することによって少しでも解決し、よりよい未来が実現できるようにしたいと思います。(渡部さん)