トビタテ!留学JAPAN 高校生コース派遣留学生にインタビュー

発展途上国でも日本でも、同じ「当たり前」を提供できるようになるために

井上友莉奈さん(福岡雙葉高校2年)

【部門】国際ボランティア 

【留学先】アメリカ/ワシントンD.C.、コスタリカ/エレディア

【留学期間】2か月

(2016年9月取材)

◆留学先で行った活動を教えてください。

中学2年生の頃に『We are the world』(※)という歌を聴き、国際協力に興味を持ったことがきっかけで、発展途上国で働くことを夢見るようになりましたが、現地で何が必要とされているのか、自分に何ができるかがわかりません。それらを明らかにするために、アメリカで1か月の語学留学を行い、コスタリカで1か月、幼稚園のような場所で保母さんのような仕事を手伝いました。

 

アメリカでは主に英語を学びながら、世界問題について討論するクラスなどにも参加しました。空いている時間はアメリカならではの場所へ観光に行ったりしていました。

 

コスタリカで出会った子どもたちが私を180度変えるきっかけを与えてくれました。そして、志への確実に大きな一歩を踏み出したと思います。 

 

※1985年、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、ダイアナ・ロスら当時のポップス界を代表する有名アーティスト45人が集結し、アフリカの飢餓と貧困層の解消のために「USA For Africa」として制作されたチャリティーソング。全ての印税がアフリカの支援のために寄付された。 

 

◆「トビタテ! 留学Japan」に応募しようと思ったきっかけはどんなことですか。

 

中学3年生の頃に途上国へ留学しようと思ったことがあったのですが、勇気が出ずに諦めてしまいました。後悔しているところに、校内でトビタテの説明会があり「こんなプロジェクトは他にないだろう、もう後悔はしたくない」と思い応募しました。

 

◆応募する段階でいちばん大変だったことを教えてください。

 

一番大変さを感じたのは、膨大にある書類です。留学先が2カ国だったからかもしれません。私が箇条書きでまとめたものを先生方に全面的にサポートしていただき、克服することができました。  

留学先のアメリカで
留学先のアメリカで

◆留学先で、いちばん楽しかった・嬉しかったこと、いちばん困ったことを教えてください。

 

[楽しかった・嬉しかったこと]

アメリカでは、自分もカラー(有色人種)だということを思い知らされました。しかしコスタリカの子どもたちは、私がアジア人だということを全く考えずに、私の周りに笑顔で集まって手を握ったりしてくれました。スペイン語が話せない私にも、遠慮せずに話しかけてくれたことが嬉しかったです。

 

[困ったこと]

アメリカでは英語、コスタリカではスペイン語と、語学に困りました。4年間勉強し続けていた英語でさえも意思疎通が難しく、もどかしい思いをしました。

  

留学先のコスタリカで
留学先のコスタリカで

◆留学して「これは予想外だった」と思ったことはありますか。

 

自分が誰かにすぐに積極的に話しかけることができたことです。私は内向的で、母の後ろに隠れているような人見知りの性格なので、自ら誰かに話しかけることが少なかったのですが、留学先では、母や頼れる存在がいないという思いもあってか、よく話しかけるようになりました。やはり海外では、自分でできることの方がわずかで、協力者がいないとどうしようもないという場面がいくつかあったからだと思います。

  

また、外国人は皆ジェントルマンだと聞きますが、私が会った人はそれほどでもなかったです。もちろん全員ではありませんが、皆が皆優しいわけではないことを予想外に感じました。

 

◆留学をして自分がいちばん変わったと思うことは何ですか。

 

感謝をするようになりました。当たり前にできていると思っていましたが、全然できていませんでした。留学後は心を込めて感謝をするようになったと思います。 

 

◆「留学しなければ学べないこと」があるとしたら何だと思いますか。 

 

一番言えるのは、日本のありがたさです。「灯台もと暗し」と言うように、自分の足もとがどれだけ恵まれた環境なのかを知りました。それは留学しなければ学べないものだと思います。

 

◆今回の留学から得たものは何ですか。そして、将来にどのように活かしていきたいですか。

 

一番大きいのは、感謝できる心だと思います。親元を離れて、発展途上国で生活してみて、自分がどれほど恵まれた環境にいるのかを身に染みて感じました。先進国の人は全てが「当たり前」になり過ぎていて、なかなか感謝できていない人が多いのではと思いました。だからこそ、この経験を話すことで、誰か一人でも今の環境がどれほど恵まれているか気づいてほしいなと思います。

 

私自身もこの感謝の気持ちを忘れずに、将来は日本と途上国の双方に貢献できる人材として、発展途上国でも日本でも同じ「当たり前」を提供していきたいと思います。

   

◆留学したいと考えている方へメッセージをお願いします。

 

とにかく準備をしてください。中でも一番は語学です。言葉が通じると何でもできます。話せるか話せないかという分岐点は、留学が価値あるものになるか、ならないかの分岐点につながると思います。また、観光名所や歴史などをリサーチしておくと、もっともっと広い視野で見ることができると思います。後悔が残らない、素敵な留学をしてください!!!

 

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