大学生が自分の合格体験を活かし、海外進学に挑戦する高校生をサポート

~留学フェローシップのサマーキャンプ取材

みらいぶ大学生特派員 舩木駿一くん(早稲田大学2年生)レポート

(2016年8月取材)

日本の大学入試では、主に英数国を代表とする科目の理解度≒「『正解』を出す力」が問われますが、海外の大学では、テストの成績以外に課外活動や人物評価、さらに自分がその大学にいかに貢献できるかというアピールも重視されると言われています。

 

でも、日本の高校から海外の大学を目指すとしたら、どんな準備をしたらよいのでしょうか。課外活動や人物評価っていったいどんなものを提出したらいいのか。英語力はどのくらい必要なのか。そもそも入学試験を受けるためにその大学まで行く必要はあるのか…。挑戦しようとしても必要な情報が圧倒的に不足しているため、初めから諦めてしまう人もいるでしょう。

 

海外進学を果たした現役の大学生たちが、海外進学に挑戦する高校生を支援することを目的として立ち上げたのが「留学フェローシップ」(正式名称 非営利任意団体グローバルな学びのコミュニティ・留学フェローシップ)です。

 

日本とは大きく異なる海外の大学入試のための指導を、自分たちの合格体験を踏まえてきめ細かく行うとともに、海外の学校での多様な学び方、さらにそれを経験することによって自らの可能性が大きく広がることを伝え、そのために世界で求められる力とは何か、どのように学んでいったらよいかを高校生自身が気づけるように指導しています。

 

◇留学フェローシップHP

http://ryu-fellow.org/

 

2013年の6月に発足した留学フェローシップの活動には、3つの大きな柱があります。

[留学キャラバン隊]

高校生の時に海外の大学への進学を決断した現役の大学生・ギャップターム生(日本の高校を卒業して、その年の秋から海外の大学への進学が決まっている学生)が、全国各地で「現役留学生との未来設計イベント」を開催します。先輩たちと直接話し合い、海外の大学でのありのままの生活を知ることを通して、留学をより身近に考え、将来への選択肢に加えられるようになることを目指します。

 

これまで海外大学の進学情報になかなか触れられなかった地方の高校生のためにも、なるべくたくさんの地域を廻ることを目指しています。今年は6月4日から19日までの16日間に、北海道から沖縄まで全国11の会場で開催されました。

 

 

[サマーキャンプ]

海外の大学進学で必ず書かされるのが「エッセイ」。自分がどんな人間かを大学に知ってもらうための、また「私はこの大学に入学したいです!!」という熱意を伝えるための自己紹介文です。自分をアピールする、最も重要な提出書類と言われます。

 

サマーキャンプは、 海外進学を目指している高校2・3年生と既卒生を対象に、エッセイの書き方を学びます。単なる作文講座でなく、自分と向き合うとはどういうことなのか、それは将来どんなことに活かしていけるのかを、様々なプログラムから身に付けていくのです。受験のガイダンスや面接対策、海外の大学生活の紹介なども行われます。

 

[留学ナビ]

日本人の進学することが多い国の国ごとの特徴、出願制度や書類の準備方法を解説するWEBサイトです。エッセイのテーマや合格するために必要なスコア、奨学金制度、併願のしかたなど、実際に合格した先輩たちの体験談とともにきめ細かく説明されているので、「そもそも海外進学ってどんなものか」を知りたい人に最適です。

◇留学ナビ

http://ryu-fellow.org/navi/navi.html

 

サマーキャンプでは様々な活動を通して「エッセイ」の書き方を徹底指導

今年のサマーキャンプは、8月3日から7日の5日間、伊豆半島東岸の相模湾に面した伊豆稲取町の研修施設で開催されました。下図がサマーキャンプのスケジュールです。

 

サマーキャンプのスケジュール
サマーキャンプのスケジュール

サマーキャンプでは主に、メンター(現役の海外大学生とギャップターム生)を交えて、エッセイを書くために必要な基盤である自分自身の魅力や強みを発見し、それをどのように生かし、魅せていくのかを学びます。最終的には4泊5日で1本のエッセイを完成させ、今後1人でエッセイを書けるようになることを目指します。

 

キャンプでは、フェロー(生徒)とメンターで構成される計7人程度の「ファミリー」を中心に活動します。昼にはファミリー以外の人たちとワークショップを行うことも多いのですが、夜には必ずファミリー内で1日の「振り返り」を行い、意見交換を行ったり親睦を深めたりしました。

 

上記のスケジュールの赤い色の部分が「ファミリー」で過ごす時間、オレンジ色の部分が

エッセイの執筆、水色の部分が様々なワークショップです。

 

フェロー(生徒)とメンターで構成される「ファミリー」
フェロー(生徒)とメンターで構成される「ファミリー」

取材班の私たちは3日目のプログラムを取材しました。

 

3日目の朝は、まず「ミッケ!」という自己分析プログラムから始まりました。「ミッケ!」では、自分が日常の中で持っている「大切なもの」について分析し、メンターからのコメントを経てショートエッセイを完成させます。この「ミッケ!」の中では、前日に読まれた『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ著)という絵本を通じて、「観察」の重要さについて学びました。

 

午後は全体を2班に分けて、屋内と屋外でそれぞれワークショップが行われました。屋内では、エッセイを書く上で必要な自己表現技法を学ぶプログラムが開催され、今回はOriginarity, Honestly, Appropriateness, Passion, Eloquence (OH, APE!!!!) の5つのポイントが紹介されました。屋外では、「観察」を実践するために、滞在地である伊豆稲取を探索するフィールドワークを行い、風力発電所見学や旧市街地の屋号巡りをしました。

 

自己分析プログラム「ミッケ!」
自己分析プログラム「ミッケ!」

◆参加者した高校生、サポートするメンターにインタビューしました!      

                  ※学年はすべて取材時(2016年8月)現在のものです。

インタビュー記事はこちらから

 

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