(2016年4月取材)
1日目の議長を務めた小野裕矢くん(海城高校2年[東京都])と納富芽壽さん(弘学館高校2年[佐賀県])に聞きました。
■小野裕矢くん(海城高校2年)[東京都]
Question1:普段学校でどのよう活動をしていますか。
僕自身、現在はすでに生徒会を引退しているのですが、現役時は傘の貸し出しを行ったり、学校全体に目を向けて見つけた問題点を生徒会内で共有したりして政策に移したりしていました。
Question2:どのような経緯で1日目の議長になったのですか。
去年のNCSS3で実行委員長の推薦で議長をさせてもらい、大会をさらに盛り上げたいという思いから、今年のNSCC4の実行委員となりました。その後、企画部という部署に入り、様々な企画を進めていくうちに、僕も議長をやりたいと思って、議長に立候補しました。
Question3:1日目のディスカッションで「自慢の政策」について話したそうですが、どのようなことを話しましたか。
先ほども言ったように、僕は「傘の貸し出し」について話しました。この政策は、去年の生徒会役員が、急に雨が降った時に傘を持っていない生徒が雨に濡れながら走って帰る様子を見て、傘を貸し出そうと言い出したことがきっかけです。僕たちが工夫した点は、傘に番号を振り、その番号と名前を対応させることで傘の返却率を高くしたことです。
また、同じ班の他校の「自慢の政策」では、新聞製作がありました。野球部について取り上げていたのですが、巧みな文章や綺麗なカラー写真など、まるで本物の新聞のようでした。
Question4:「文部科学省が生徒会廃止案を出してきたら」というシミュレーションで対抗案を考えていたそうですが、どのような議論が発展しましたか。
まず、このシミュレーションには「生徒会の必要性を考える」という目的がありました。そこで、僕たちは生徒会がなくなった場合の5つのデメリットを考えました。例を挙げますと、予算の自由がなくなることや先生が主体になることが考えられたので、このような状況を僕たちは「先生の王国」と名付けました。また、生徒の代表者がいなくなることで、生徒のアイデンティティがなくなるのではないかという意見も出ました。
その後、生徒会の意義を決める作業に移りました。その結果、「自由を保つこと」「主体性を保つこと」「秩序を保つこと」。生徒会には大きく分けてこの3つの意義が存在するという結論に至りました。
■納富茅壽さん(弘学館高校2年)[佐賀県]
Question1:普段学校でどのよう活動をしていますか。
去年は、生徒会長が高校生平和大使に選ばれ、主に核兵器廃絶のために、生徒会による署名活動を学校内外で行いました。また、私たちの学校は全寮制で、皆が同じ給食を食べるのですが、私は月に一回決められる特別給食を決める給食委員という役職をしていました。給食委員として行った他の活動としては、食器デザインコンテストの開催です。給食は、安価で大勢に振る舞えるものが作られるため、どうしても生徒から不評の声が上がることがあります。そこで、皆がもっと給食の時間を楽しいと思えるようにこのコンテストを開催しました。コンテストで選ばれた食器は、今後使われるようになる予定です。
Question2:どのような経緯で1日目の議長になったのですか。
去年NSCC3に参加した際に、関東だけでなく関西にも生徒会の連盟団体があることを知り、九州から参加していた4人で「九州高校生徒会連盟」を発足することになりました。そして、この連盟のことを知っている実行委員の方から声がかかり、議長をすることになりました。
Question3:1日目のディスカッションで「自慢の政策」について話したそうですが、どのようなことを話しましたか。
私は給食委員という立場から食品に関わる仕事が多いです。私の学校は規則が結構厳しく、文化祭で模擬店を出すことが10年前に中止され現在はできません。しかし、模擬店をやりたいという声が生徒から多く出たため、模擬店を出すために尽力しました。その結果、市の衛生法に引っかからないものがポップコーンだったため、昨年9月の文化祭でポップコーン配布を実施しました。また、その過程では金銭的な問題も発生し、来客の方たちからお金を取ることができないため、生徒会が無償で提供するという前提条件がありました。
Question4:「文部科学省が生徒会廃止案を出してきたら」というシミュレーションで対抗案を考えていたそうですが、どのような議論が発展しましたか。
私たちの班では4つの観点から問題について考えました。1つ目は、「教師対生徒」です。生徒会が廃止されると、生徒をまとめて意見を通す組織がなくなるため、「先生の学校」になってしまいます。2つ目は「生徒の人間性」という観点で、「先生の学校」になってしまうと、生徒の個性や自発性が損なわれ、結果的に愛校心がなくなると考えられます。3つ目は「生徒会という組織全体」という観点で、先ほど述べたように、生徒をまとめる組織がなくなるため、生徒と先生とのバランスが保たれなくなるという問題が生じます。最後が「地域との関連性」です。生徒会が学校の顔という面は大きく、学校外部からの認識を良くするためにも、生徒会が地域との仲を取り持つことが重要だと考えます。具体的には、文化祭や体育祭の際にご近所の方々に、告知をして回ります。これは、生徒が直接伺うことで、ご近所の方々からより深い信頼が得られる、と考えました。
◆他のインタビューを読む
実行委員の左から 田島佑海佳さん(成立学園高校3年[東京都])、松林里歩さん(三重県立津高校3年)、上林山大吉くん(東大寺学園高校2年[奈良県])
今回初めて参加した馬場真樹くん(福島県立会津高校3年) 、山本真人くん(明治大学付属中野高校1年[東京都])、田中悠之介くん(早稲田佐賀高校3年[佐賀県])、堀綾奈さん(横浜女学院高校2年[神奈川県])
メインディスカッションを担当した2人の議長、長谷川剛志くん(灘高校2年[兵庫県])、川越華佳さん(横浜雙葉高校2年[神奈川県])
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◆全国の仲間との交流を通して、生徒会活動に新しい風を起こす!
実行委員長 須田隆太朗くん(東京・広尾学園高等学校2年)
総務委員 中村優希さん(東京・晃華学園高等学校2年)
島田真志くん(灘高校2年)、久本創くん(灘高校2年)、横谷悠くん(神戸大学附属中等教育学校5年)に聞きました