全国の仲間との交流を通して、生徒会活動に新しい風を起こす!
第4回全国高校生徒会大会実行委員インタビュー
実行委員長 須田隆太朗くん(東京・広尾学園高等学校2年)
総務委員 中村優希さん(東京・晃華学園高等学校2年)
(2016年3月取材)
理想の大会のビジョンを実現するために
――まず実行委員長の須田くんに質問です。どのような経緯で、須田くんが実行委員長をすることになったのでしょうか?
須田くん 僕は2年前の第2回から大会に参加しました。その時、自分とあまり年の変わらない高校生が、全国規模での生徒会の集まりをまとめ上げている様子を見て、純粋にすごいなと思いました。それで、悩むまでもなく第3回の実行委員会に入ることに決め、次の1年間を実行委員として過ごしたのですが、実は第3回が終わったときは次の実行委員をやるつもりはありませんでした。
――意外ですね。それはどうしてですか?
須田くん 第3回はもちろん充実していたんですが、心の奥で少し物足りなさを感じていたのです。それは、大会の価値が人脈だけで終わってよいのかということです。だから、第4回の実行委員になるかどうか迷っていました。でも、7月に実行委員長を決める選挙をやろうということになったときに、人脈以外にも大きな価値のある理想の大会のビジョンが自分の中にできていました。それで、どうせやるなら実行委員長になって理想の大会を作り上げようと決めました。
――では、中村さんに質問です。中村さんはどうして総務部に入ろうと思ったのですか?
中村さん そうですね……。まず憧れていた先輩たちが、去年総務部に入っていたことですね。それと、総務部の仕事は、主に大会に関する事務的な運営や参加者の対応などの細かい作業なのですが、そういう仕事をしたいなと思って総務部に入りました。
一番の魅力は人脈
――生徒会大会に参加するかどうか悩んでいる生徒会役員の方は全国に大勢いると思います。その方たちに対して伝えたい大会の魅力とは何でしょうか?
須田くん 人脈だけでは物足りないと言いましたが、やはり一番大きな魅力は、人脈だと思います。4月というのは多くの人にとって始まりの季節で、それはもちろん生徒会役員にも言えることです。そんな新たな1年の中で生徒会活動を続けていくために、全然違う観点から活動している全国の役員たちと話して、アドバイスを得られることはとても大きな価値があると思います。また、全国の様々な高校から様々な生徒会役員が集まり、議論することで、「こういうのもありかー」と思えるような答えも得られます。このようなところが素敵だなと思います。
中村さん 私も一番の魅力は人脈だと思います。私の場合は大会でできたつながりから、別の学生団体にも入ることになったり、大会で仲良くなった人と生徒会活動について相談し続けられたりしたので、大会後も人脈が活かせるところが素敵だと思います。
NSCCというブランドを作る
――今大会ならではのこだわりってありますか?
須田くん まずはロゴを変えたことです。第3回までは、ロゴに第○回というのが書いてあったのですが、今回はそれをなくしました。
――それはどうしてですか?
須田くん 裏方の事情としては、今年はITに強い実行委員が少ないため、あまり凝ったデザインを作れなかったことと、今後も実行委員にITに強い実行委員がいなかった場合を考えて、長く使い続けられるようなロゴにしようと思ったからです。また、ロゴだけでなくウェブサイトからも第○回というのもなくして、今後も使える一貫したウェブサイトにしました。結果的にNSCC(全国高校生徒会大会)というブランドを作るという面でも大切だと思います。
目的意識を重視して、より身近な実行委員に
――他にはどのようなこだわりがありますか?
須田くん さっき人脈が一番だと言いましたが、今までの大会では最終日のプレゼンテーションに気を取られすぎて、せっかくの知り合っても議論を深められずに終わることもあります。それで、今回はプレゼンテーションをなくして、3日間ディスカッションをすることにしました。また、前回まではせっかく議論をしても、結果的に抽象論や「各校それぞれ」という結論で終わってしまうことが多かったのです。そこで、今回は最初に具体的な活動をテーマとして掲げ、その活動をするためにどのような工夫をするかを考えるようにしました。参加者の目的意識を重視して、具体性を高めました。
――中村さんは大会に向けてのこだわりはありますか?
中村さん 私は、地方から来る人たちが不安にならないような快適な環境を、総務部として作って、参加者により身近でいられるような実行委員になりたいと思っています。
――先ほど、3日間ディスカッションをすると言っていましたが、3日間のスケジュールについて具体的に教えてもらえますか?
須田くん はい。1日目は、交流の部分と生徒会の意味をしっかり考える部分を重視しています。アイスブレイク(全体やグループごとでのゲーム風の交流)の時間を長くして、生徒会に関係することも、そうでないことも共有します。また、生徒会の意義を確認して、2日目のメインディスカッションに向けた下準備にする予定です。2日目については、「これからの生徒会」というメインコンセプトを実行委員会で掲げていて、生徒会の新しい可能性を模索するために、「東北の交流」、「地域活性」や「模擬選挙」など、具体的な活動をベースに議論する予定です。また、2日目には、実行委員会のOBなどによる講演会も予定しています。3日目は、2日目に議論した内容のフィードバックをします。グループ内や同じテーマ内で、意見の共有や今後に関する意思表明をしてもらう予定です。
全国約5万人の高校生に影響する
――最後に、大会への意気込みを教えてください。
中村さん 個人的には、生徒会大会が私の最後の生徒会活動になるので、その集大成になるような大会にしたいなと考えています。実行委員としては、さっき言ったように、参加者の身近にいられる実行委員になって、気軽に相談もしてもらえるような雰囲気を作りたいと思っています。
須田くん 僕は、この大会が全国で約5万人の高校生に影響すると考えています。5万人というのは、約80校が参加して、1校あたり約600人の生徒がいると想定した時の計算です。生徒会大会が必ずしも直接的な影響を及ぼすとは限らないですが、5万人の高校生活を良くし、5万人が今後動いていく中で、日本社会を良くする可能性があると考えています。地域活性化などは良い例で、大会で影響を受けた人が全国へ散らばり、地域ごとでの活動が増えれば、社会全体の活性化につながります。社会を変えたいと思うような人が、全国から来ていただければいいなと思います。また、このようなイベントに参加したことのない人でも楽しめるような大会にしたいです。
【インタビューを終えて】
舩木駿一さん
早稲田大学政治経済学部1年/高校時代に第1回と第2回大会に参加
今回、第4回大会の実行委員長を務める須田くんにインタビューするにあたって、私はインタビュアーとしてだけでなく、生徒会大会のOBとしての立場も抱えていました。私は第1回大会に一般参加し、第2回では実行委員会の中でIT部長を務めていました。第2回は2年も前なので思い出も薄れているかと思いましたが、須田くんから実行委員長としての目的意識や苦悩を聞くことで、今2年前の活動を鮮明に思い出すことができました。
IT部としては、特にロゴやウェブサイトの作成に携わっていたので、それらをブランド化につなげるという考えにはNSCCの大きな成長を感じました。
また、「より身近な実行委員に」という中村さんのこだわりは僕が実行委員をやっていた時にも考えていたものだったのでとても共感できるものでした。
高校生を代表する生徒会役員が全国から集う機会は、非常に稀です。その機会を活かして5万人の高校生、そして日本社会に影響を与えるという須田くんの目標には、大きな価値があると思います。現在、第4回大会の参加者を募集しているので、全国の生徒会役員の方、これから生徒会をやってみようと思う方はぜひ参加をご検討してください。
今後も数回にかけて全国高校生徒会大会の実行委員会にインタビューする予定です。
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第4回全国高校生徒会大会の参加者を募集しています。
●日程 3月30日(水)~4月1日(金)
●場所 衆議院第一議員会館(東京都千代田区)
●参加費用 1500円(1日目昼食・2日目夕食代)
●募集期間 1月14日より2月14日(日)
●参加方法
全国高校生徒会大会WEB サイトより申し込み。詳しくは下記を参照してください。