スピーチコンクール特賞で世界の大都市ニューヨークへ
~国連本部での研修レポート
上田 明(めい)さん 岡山白陵高等学校(当時)※現在は津田塾大学2年
(2015年7月掲載)
vol.4 もっと多くの中高生に刺激的な経験の機会を
帰国
分単位の行動の連続だった研修もそろそろ終わりです。
連泊したロジャースミスホテルや、もう見慣れた景色とお別れするのは寂しいけれどニューヨークの街に別れを告げて、ジョン・F・ケネディ空港から羽田空港へ。
もっと知る、もっと学ぶ機会を
今回の研修で考えさせられたこともありました。
一般に大人は学生に「知ることが大事だ」と言います。そして私たち学生はそれを理解しつつも実行に移せないというジレンマに悩んでいます。
しかし本当に学生だけが悪いのでしょうか。
私は今回の研修を通して、そうではないと考えるようになりました。
実際、情報を求めている学生はたくさんいるけれども、それを得る機会が実は均等に与えられていないのではないかと思いました。選ばれた数名の学生のみが真実に近いところまでいけて、そこで学び取ってきたことを必死に啓蒙するしかない。この状況に違和感はないのでしょうか。
学生が「知ること・知ろうとすること」に対して、大人は本当にその門戸を広く開いているといえるのか、疑問です。
私たち国連訪問団8名は短い数日間のうちに通常では考えられないような貴重な経験を幾度もしました。人生でこれほど濃密で充実した時間は初めてだったのでは、と思えるくらいに充実した研修でした。しかし、それと同じくらいに、上記のようなことを考えさせられたのです。
私は今回の研修を通して、日本の中高生に、実際に海外で学ぶ機会をより沢山与えてほしい、そう強く思いました。そのためには、もっと多くの中高生が、日本であっても、私たちがニューヨークで体験し学んだのと同じくらい刺激的な経験ができる仕組みを作る必要があると感じました。
挑戦する勇気を持って
一方で、私が、本当に充実した濃密な1週間を経験できたのは、間違いなくこの研修に参加したからで、参加しなければ感じることはありませんでした。当たり前だと思われるかもしれないけれど、私は最近の学生がこの最初のきっかけをなかなか掴むことが出来ないでいるのを知っています。挑戦しつづけることをやめないでください。少しでも早く、一人でも多くの中学生・高校生に「挑戦する勇気」を持ってもらいたいと心から思います。
吉川大使は日本人が日本の中で小さく留まる時代は終わったとおっしゃいました。私はこれから大学に進学するにあたり日本で何が学べて、何に挑戦できて、そしてそこで得た知識を使い世界で何をするのかを改めて考え直したいと思いました。自分で得たチャンスを一回きりのものにしないために。国連で働く職員の方々のように挑戦し続ける大人になるために。今回の研修に携わっていただいた外務省及び国連機関、旅行社の方々、本当にありがとうございました。
おまけ ~楽しかったニューヨーク
「国連研修」と聞くと真面目なスケジュールばかりこなしていた、と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません!(笑)
空いた時間にはメトロポリタン美術館へ行ったり、ニューヨークの高校の学生たちとの交流会や裏千家の茶道体験などをしたりして楽しい時間を過ごしました。
また、本場ブロードウェイでミュージカル「シンデレラ」に感動!
最後に、街でみかけた消火栓の「遊びごころ」!