A:「メディアリテラシー」グループ アクションプラン

秘密のParty

加藤独歩くん(西大和学園高等学校[奈良]3年)に聞きました

(2014年3月取材)

(※学年は取材時)

重要なのに身につける機会がない「メディアリテラシー」

加藤独歩くん
加藤独歩くん

■どうして、このテーマが出てきましたか?

「メディア・リテラシー」という言葉を頻繁に聞きます。インターネット、特にSNSの発展によって、情報の共有や拡散は著しく容易になりました。しかし、誤った情報が出回って誤解に苦しんだり、または苦しませてしまうなど、いわば情報に「躍らされている」ケースも身近に数々見てきました。そこで大事なのは「情報を評価、識別しクリティカルに読み取る能力」つまり「メディア・リテラシー」を身につけることだと思いました。

ただ、現代においてこれほど重要な能力なのに、身につけるための知識・手段・機会があまりにも不足しているように思います。今回は不適切(嘘や誇張表現など)な情報による混乱や誤解から生じる問題について、どんな解決策があるか話し合いたいと思いました。

 

情報拡散を行っている「中継者」を正しい方向へ

■どんな議論がなされましたか?

例えばSNSによるいじめだったり、バカッターだったり、間違った情報や人の悪口を発信する人が悪いですが、それをリツイートだったり、シェアしたり、イイネしたりする人も同罪じゃないかと考えました。悪口を言う人は反応が欲しいんです。ふざけた画像を流しても、誰も反応しなかったら、出さなくなるかもしれない。それに、悪口を言ったりふざけたりするのが格好いい、という風潮もあって、そう思っている人を根本的に変えるのはちょっと難しい。そこで、働きかける対象を、リツイートしたりシェアしたりして拡散していく「中継者」にしました。

ぼーっとタイムラインを眺めていて「あーこれ面白いな」と思ったらそれをすぐ拡散してしまう中継者に、「本当に格好いいSNSの使い方っていうのはこうなんだよ」「本当はこういった正しい使い方があるよ」って言うことを伝えたいと思いました。

 

「打ち上げ」している間に、楽しくリテラシーを学べる

■どんなアクションプラン?

学校で「正しい使い方を学びましょう」と言われても、ちょっとうっとうしい。だからといって、いくら楽しいパーティだよといっても、「メディア・リテラシーのことを知るパーティ」には行きたくないでしょう。

そこで「秘密のパーティ」。「文化祭の打ち上げします」「体育祭の打ち上げします」と言ってパーティを企画します。きっとみなさん写真をバチバチ撮るでしょう。そこで、司会が言います。「はーい、皆さん今日の写真SNSとかに上げますよね? 実はフェイスブックってこういうふうに使うんですよ」。これなら、耳を傾けると思います。「ツイッターの使い方、合ってる? これって、リツイートしていい情報?」などと思うきっかけなどを、不意打ちでどんどん投げかける。こうしたパーティを気軽に開いたり、体育祭や文化祭などでも行ったりしてほしいというプランです。

つまり、本当の目的を隠してパーティを開き、参加者に純粋に楽しんでもらう。そこで SNS の本来の使い方を暗に伝えることで、情報拡散を行っている「中継者」を正しい方向へ導く。人はかっこいいことを真似しようとし、楽しい時には心に隙が出来る。そんな人間の性質を上手く利用するプランなのです。

 

■鈴木先生の話で心に残ったこと、ありますか?

基本的にメディアには「発信者」と「受信者」しかいないものだと思っていましたが、「中 継者」という新しい概念が出来ました。「楽しいは伝染する」という鈴木先生のお話は本当に参考になり、座右の銘となりました。

 


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